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ワンダヴィジョンのkecojiのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダヴィジョン(2021年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

おもしろい。
年代順のシットコムもとても好きだ。ずっと観ていたい。観ていて欲しい。

ワンダに救われて欲しいと思って見ているけど、幻想の家族さえ必然的に奪い去っていく。辛すぎる。世界を破壊し尽くさないでくれるワンダは強く優しい。

Xmenのクイックシルバー登場はマジで驚いた。タイムインボトル走りを見たかったけど、マルチバースではないらしいので仕方ないか。でもまた会えて本当に嬉しかった。Xmenを観てあいつを好きにならないやつがいるだろうか。

どうすればワンダが救われるのかわからない。白ヴィジョンと結ばれて終わりとかは絶対やめて欲しい。

ワンダがめちゃくちゃ強い存在として描かれるのはとても良い。
コメディ要員のお調子者キャラが実は悪の魔女という展開も好きだ。ああしたキャラはシットコムの中だけで存在しているようで眩しい。本当に美しい存在だと思う。瓦礫の中から仰ぎ見る光。フルハウスのキミー。

ワンダの夢が終わる時、一昔前の当たり前の幸せがもう世界から失われたことを思い知らされる。でも、そんなものは昔から実は幻想でテレビの中にしかなく、存在するとすればそれは無数の誰かの犠牲で成り立っていることが示唆される。アメリカだけの話ではなく、格差社会は世界中の問題だ。クレヨンしんちゃんの家族像は身近なものではなく、仰ぎ見るアッパークラスの生活になってしまった国もある。

シットコムで笑えなくなった人々が求めるのはリアリティショーで、作り物でない誰かの不幸だ。そんな現実は改変した方がいいとか思ってしまう。

現実と夢の境が曖昧でトラウマが紐解かれていく感じ、クロムモリブデンを思い出した。
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