totokim888

Womanのtotokim888のレビュー・感想・評価

Woman(2013年製作のドラマ)
4.5
Huluで視聴…。
『二階堂ふみ作品強化月間』

様々な問題定義。
生きていくうえで起こりうる『過ち』や『後悔』…自分一人だけの問題ならば『忘れればいい』…でも、第三者が絡んでる場合には相手の『許し』が必要になってくる。が…たとえ相手の許しが得られたとしても自分の心に重くのしかかった巨大な石は取り除かれることはない。その苦しみに耐えきれなくなって『自死』を選ぶのか…敢えて苦しみを受け入れて『耐え続ける道を選ぶのか』…そんな過酷な選択をする必要がある。

自分の身に起こりうる『病』について…自分一人なら『諦めればいい』意外に簡単なことだと思う。でも…自分に守るべき存在がいたならば話は違ってくる『死ぬわけにはいかない…何が何でも生きなきゃ』と強く願う…祈る…。どこから湧いてくるのか強いエネルギーが全身を覆う。

寝たきりの母と二人暮らしで…私が入院して手術すると決まった時も信じられないぐらいの『エネルギー』が私の身体にみなぎったのを覚えてる。守らなきゃいけない人がいるっていうだけで『強くなる』少し違うけど、火事場の馬鹿力的な何かが宿るものだ。その後、母が亡くなってすぐに『がんの告知』をされたときには『気楽だった』…妙に簡単な出来事のように思えて笑ってしまう自分がいた。家族がいるって『安心感』もあるけど…ひとたび何か問題があれば人数分の『心配事』という大きな波が自分の心に押し寄せてくる。

『親子の確執』…『変な意地』と『変な執着』の複雑な感情の絡み合い。寄り添って抱きしめたい(抱きしめられたい)と双方が思ってるはずなのに…長引けば長引くほど絡み合って『憎しみ』という感情が生まれる。

前半はシングルマザーの日常生活を丁寧に描いている。同じ境遇の人なら誰もが『わかる…わかる』と共感することばかり…。

私の家は両親揃っての共働き…それでも母親の負担は大きかった。朝の5時に起きて洗濯・朝食の準備(鮭を焼いたり味噌汁作って…お弁当も作ってた) そのあと8時から17時まで立ち仕事…帰宅後すぐに買い物に行って晩御飯の支度…洗い物やら片付けをして内職もしてた。思い出しても…私ら子供と父親は『なにをしてたんや!』っていうぐらい何も手伝いをしてなかった。本当にそのことが悔やまれて悔やまれて…心が苦しくなる。今の心のまま…あの頃にタイムスリップできたなら…って何度も思ってしまう。そして思う…両親揃ってても、あんなにハードな毎日やったのに…一人で子供を育てるって想像を絶することだと思う。

全ての役者さんが見事に演じきっていて…誰一人として浮く存在はいなかった…『演技派女優』という言葉は使いたくないけど他の言葉が浮かばない…敢えて言うなら『感情派女優』かな。誰もが難しい役柄で一癖も二癖もあって大変だろうな…って感じた。特に栞(二階堂ふみ)の役を演じるには相当な覚悟と苦しさがあったに違いないって思う。見てる私まで心が苦しくて…見てられなくて…辛かった。

そんな中…ナマケモノさんと子供たちの関係性が無邪気で微笑ましかった。一瞬のオアシスのようで心が和んだ。医師役の高橋一生のキャラクターも良かったね。うん。み~んな良かった。
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