半兵衛

翔べ!必殺うらごろしの半兵衛のレビュー・感想・評価

翔べ!必殺うらごろし(1978年製作のドラマ)
4.0
主人公(中村敦夫)は少年漫画に出てきそうな超人的な身体能力&超能力の持ち主、彼らに同行する仲間も怪力でその容貌から男に間違われる女性(和田アキ子)、記憶喪失の殺し屋で針を売りながら生計を立てるおばさん(市原悦子)とみな最下層で生きるアウトローばかり。そのうえ彼らに日常生活に必要な名前はなく、みな「先生」「若」「おばさん」とあだ名でしか呼ばれない。

そんな彼らが死霊から怨みを受け取り、お金などをもらわず悪党を抹殺するストーリーラインはもはや殺し屋が悪党を成敗する必殺シリーズの範囲を逸脱しており初見の人はおろか必殺ファンの人まで戸惑ってしまう内容に。とはいえちゃんと必殺の肝である悪党を気持ちよく倒すというポイントは押さえているし、なによりスーパーなパワーを使って活躍するアニメや特撮みたいな展開はハマればクセになってくるのも事実。

そしてこのドラマに独特な魅力をもたらしているのが市原悦子のおばさん、彼女の完璧な小太刀の使い方に加え最初の一撃は臓器に刺してあえて痛みを与えず弱らせて二回目で致命傷を与えて相手を地獄に落とすリアルな攻撃、相手を刺した瞬間にもらす一言…。他の二人は先生は旗で相手を刺す、若はぶん殴って殺すと漫画チックな攻撃なのにおばさんだけホラー過ぎて心胆を寒からしむる。でも何回か見ているとそれが快感になってくる。
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