このレビューはネタバレを含みます
正直1度見ただけでは作品の多くを読み取りきれなかった。緻密に練り込まれたディテールがかなり多数ある
・クリスタの写り込み
・赤いカバンの意味
など気づけなかったことも多々
以下の記事がかなり丁寧に作品を解説・考察してくれているので解釈に非常に助かりました。多謝
考察記事
・https://ameblo.jp/moji-taro/entry-12803877975.html
監督インタビュー
・https://eiga.com/news/20230513/3/
・https://moviewalker.jp/news/article/1134644/
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ターとい人物の描き切り方が凄まじく、ケイトブランシェットの演技だけで2時間半があっという間だった。
シンプルに見れば偉大な人物の転落劇だけど、半分は音楽に魂を注ぎ込む姿勢が描かれる。もう半分は自身に非がないとは言い切れないエゴについてだが…。
権威とそれをもたらす意思や生き様、成功とエゴイズム、権威の使い方と受け取られ方、悪意の線引きなど、多面的に解釈できる部分も多か感じた。クリスタの件も推測はできるが実際のところを白と黒とでは描かれていない。
ター自身をキャラクターとして魅力的に感じる一方、人間として不信感を抱かせる人物像なのもたしかで、これをどこまで人間性や弱さと捉えるかによって印象はかなり変わりそう。
結末はどちらの意味かなと一瞬迷ったけど、そこまでの描写を見れば、いずれにしても彼女が音楽を追求し続ける存在であることをポジティブに見せているように感じた