ヤマダタケシ

胸騒ぎのヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

2024年5月 シネマカリテで
・心底嫌な気持ちになる映画。ラストで圧倒的に嫌な事が描かれるけど、実は手前で描かれたなんとなくの自分の領域を犯される違和感、他人の領域に入ってしまった違和感こそが今作の肝だったように思う。
└その積み重ねがあったからこそ、あの嫌なラストへたどり着く。少しずつ何かを譲ってしまった事、しぶしぶ受け入れてしまった事が結果として自分の娘を差し出す事になってしまう。
→この小さなサインを受け入れる→より大きなアクションへ少しずつなって行くと言うのはある種のホラー演出に近いと思った。例えばジェームズ・ワンのホラー映画は、最初はJホラー的な居る気配からはじまり、それを「いるかも?」と思ってしまう事から、次第に相手の存在感が増し、最終的にはかなりフィジカルに襲ってくる。
└また、この相手の家に行く事への違和感は、それがまなざし・視線として描かれる点で大きく違うが『ゲット・アウト』の違和感とも似ていた。やがてホラーにたどり着く手前の違和感をこそしっかり描く。
└ヴィーガンに肉を勧める、使用中のシャワールームに入ってくる等、言う程じゃないけどなんとなく嫌だなぁをガマンした結果があれである。しかし、この譲ってしまう姿を丁寧に描くからこそ、最後の最後、抵抗すれば助かりそう(立ちションしてる時に鍵を奪う)なシュチュエーションでも言われるがままになってしまう事に説得力があったのかもしれない。
・今作でそこまで人種、という部分にはフューチャーされなかったが、自分の領域を犯してくる違和感を扱った今作にその要素が少しでも入るとかなり危険だな、とも思った。
・他に連想した映画。黒い家、ファニーゲーム。