アキラナウェイ

シティーハンターのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
4.0
「Get Wild」のイントロが鳴り始めた時のテンションの上がり方と疾走感は格別。TK天才。

そして、もう1人の天才が本作主演を務めた鈴木亮平。冴羽獠を演じたくて俳優を志したというだけあって、並々ならぬ想いの深さを感じさせる演技にとにかく参ってしまった。

原作は北条司による人気漫画。これまで香港版、韓国版、フランス版と実写映画化される中、待望の日本版がNetflixで配信開始。これは、当然観ておくべきでしょ!!

現代の新宿。相棒の槇村秀幸(安藤政信)と共に、有名コスプレイヤーくるみの捜索という仕事を請け負った冴羽獠(鈴木亮平)。しかし人智を超えた力を携えた男の手で槇村は殺されてしまう。現場に居合わせた槇村の妹、香(森田望智)は事件の真相を調べて欲しいと獠に懇願するが—— 。

もう、何が素晴らしいって鈴木亮平。

ヴィジュアルだけを寄せるのではなく、声まで寄せてきた事に驚き。特にアニメ版の声優神谷明による独特のダミ声まで再現して見せた時には、1人で勝手にスタンディングオベーション。

アクションも良いがキメる時の表情、銃の構え方も見事。リロードの細かな動きも全部作り込まれている。拳銃の扱いやその解体も何度も練習したとの事で、その一挙手一投足に見惚れてしまう。

鈴木亮平という俳優が努力の人なのだと知らされる。

「もっこり」をどう表現するのかというのは気になっていたけど、現代のコンプライアンス上、ギリギリ問題ないように言葉の定義もあやふやに。これは時代の流れなので致し方なし。

香を演じた森田望智は、今年の朝ドラ「虎と翼」に出演中だが、そのキャラクターとは声も演技も変えてきており、今後が楽しみな女優さんだと思われる。本作は香と獠の出会いとコンビ結成までを描いている為、原作を隅々まで読んでいる訳ではないので、果たして彼女がどこまで香というキャラクターに寄り添えたかは判断出来ず。ただ、香の持つ勝ち気で猪突猛進な性格に幼さを加え、好演していたと思われる。

肝心の中身は凡庸で、肉体的なリミッターを強制的に外すクスリが鍵となっているものの、その描写はチープな印象。

それでも。
それでもだ。
鈴木亮平は最高だ。

そして、ハンマーを振り回す香とその鉄槌を回避しようとする獠の静止画で「Get Wild」のイントロが流れ始めるラストシーンには涙がぽろぽろ溢れてしまう。

因みにTM NETWORKのデビュー40周年を記念してリリースされた各アーティストによるトリビュートアルバムも最高だし、B'zの「Get Wild」もまた最高。

ここの所頭の中では「Get Wild」が流れまくっている。欲を言えば、本作のエンドロールではリリース当初のオリジナル版が流れて欲しかったのが本音。