韓国から帰る機内でたまたま観た映画『少年たち』が傑作だった。殺人の罪を着せられた３人の少年を巡る韓国での実在の事件をモチーフにしたサスペンス。数年前に冤罪が証明されて真犯人が分かったようだが、まずそんな事件あんのかという衝撃。本編では冤罪を疑い始めた主人公が当時の捜査の裏にある真相をめくっていく度にグイグイ引き込まれる。何より、実在の事件をモデルにしながも、それが勧善懲悪の対立構造やフリオチの徹底と隙のない脚本術の中にブチ込まれていて、韓国映画のレベルの高さを感じざるをえず、ラストシーンの記念撮影で主人公のキャラ性を表現したところなんか、ここまでやるかと唸る思いがした。中盤で主人公が警察機関の腐敗ぶりに諦観しているパートは若干ダレるけど、映画だからまあ許容範囲なのかなと。個人的には、主人公の弟分が韓国特有の厳しい上下関係を背景にしてすごくよくキャラ立ちしていて好きだった。かなりの傑作なのではと思う。
