北斗星

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間の北斗星のレビュー・感想・評価

5.0

戦時下に丸腰の病院を狙うやり方が非常に汚い。戦地では女性(特に妊婦)、子供、お年寄りが一番の犠牲者。男は嫌でも兵士になり戦わねばならない。
ペットの犬の震えが止まらなかったり、爆撃の音でショック死したり、モルモットがパニックになり脱走したり、飼い猫を置いて避難せざるを得なかったり…。
(ウクライナでは猫を飼ってる家が多いそうだ。連れていきたくとも、車以外で避難する市民が泣く泣く置いていく場合も多々あるよう。胸が痛い。)

ウクライナには小さく性能の良い地雷がそこら中に埋まっており、兵士のみならず小さい子供が野原で遊んでる最中地雷で脚を失くす事故が後を絶たないと聞く。地雷が完全に撤去されるまで250年の月日を要するという。
戦争で脚を失くす兵士が、歴史上の事じゃなく今現在もいることにショックを受ける。ガザでも脚が吹き飛んだ子供の映像を見て衝撃を受けた。

何より、去年出版されたとあるウクライナの本やインタビューで女性たちに、日本人である自分たちに何か出来ることはないかと聞くと、ウクライナの人々のことを忘れないで欲しいと言う言葉が返ってきた。
自分が生きている間は決して忘れることはできないだろう。 
戦争が始まって2年。本作が撮影され公開されてもまだ戦争が収束してない。
何もできないけど、こうして映画を観たり本を読んだり、戦争が早く終わることを祈るしかない。



『悪人はより悪行を。善人は善行を。』
娘に聞かれた時、『パパはその時何をしていたの?』
北斗星

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