アシダテメイカ

ミッシングのアシダテメイカのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.7
大阪プレミアム試写会にて鑑賞。

リアルな映像作風で、自然もまた人間に状況とは裏腹に人の感情には寄り添ってくれるような天気ではなく辛辣さが極まって見えました。そういった太陽の光を使った演出が後々鑑賞した人間が日常生活に帰った時、思い起こされ、自分の心の中でも大きな存在感を放っていることを理解しました。

『失踪した愛娘を探す母親が助けてを求めていく過程で見た社会の“温度”とその温度差に葛藤する人たちの物語』

電車の席の隣座っていてもおかしくはない主人公の母親。自分が同じ世界の住人であればどういう目で彼女らを観ていただろうと観ながら自問自答を繰り返し鑑賞していました。
人って倫理ってなんだってずっと考えて、答えが出るわけでもなくて、「世の中っていつからこんなに狂ってるだっけ」ってという言葉が本当に刺さりました。

「こんな社会なら仕方ない」など日頃から“社会への諦め”を持っている人間としては生きていく勇気をもらえる、そんな映画ででした。