くぅー

ミッシングのくぅーのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.1
【my映画館2024 #26】

予告編の石原さとみのスゴみを見せつけられ、吉田恵輔監督は今回はどんなえぐり方なのかと構えて見始めましたが…久しぶりに淡々と動揺や葛藤を否応なしに映し出してましたね。

そんな本作は、愛する一人娘の失踪から3ヶ月が過ぎて母親と父親の姿を通して、失ってしまった大切なものを取り戻していこうとする人々の姿を描く。

で、特にインパクトのある事件描写はないので、物足りなく感じるかもしれません…が、きっちりと様々な感情を炙り出して行きます。

そう、生きてる望みがある娘を探す妻の感情の揺れが凄まじく、誹謗中傷に苛まれつつも時には同じように罵ってしまう姿が印象的で…対照的に努めて冷静であろうとする夫の姿もまた印象的で。

と同時に、事件を追うある報道者の姿も描かれますが、事実にこだわり報道するもそれを面白がる連中との板ばさみを見せつつも…報道する側にも数字のために事実を面白く見せようとする連中もいる矛盾。

うん、表裏一体に光と闇って言葉も脳裏に浮かびながら見続けての、終盤の2年後…光で終わらせるあたりは心憎いんですが、何とも複雑な感情で見終えることに。

にしても、終盤から脳内では、山崎まさよしの♪One more time, One more chance が勝手に流れてました。

そして、俳優陣では、やはり石原さとみ…個人的にはずっと微妙だったんですが、代表作と言わざるを得ない熱演。
青木崇高…動に対する静の好演ながら、あのシーンにはやられました。
中村倫也…悩めるいい仕事を披露。
森優作…お疲れ様でした。
小野花梨…いい存在感でした。
さらには、有田麗未に小松和重に、カトウシンスケに柳憂怜に美保純らのサポートも良き。
くぅー

くぅー