パピヨン

ふたりのマエストロのパピヨンのレビュー・感想・評価

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)
3.9
イスラエル映画「フットノート」のリメイクだそうです。
パリでそれぞれが指揮者として活躍している父親のフランソワと息子のドニですが、互いを思う気持ちは公私ともに複雑なようです。そんなある日フランソワのもとに、世界最高峰のミラノスカラ座から音楽監督就任の依頼が舞い込みます。ドニは父親のこの栄光を素直に喜べませんが、逆にフランソワは息子が賞を受けた時には嫉妬するのです。しかし、翌日にはドニに対してミラノスカラ座から同じ依頼が舞い込むのですが····。
この手のフランス映画は自分にとっては無敵です。よく映画の感想で「ご都合主義」なんて言葉で批判される方がおられますが、それもセンスの問題ですよね。現実の世界でも、「ご都合主義」もあれば「奇跡」も実際いくらでも起こっていますから、フィクションでその言葉は適当とは思えません。
観客を幸せな気持ちにさせてくれる映画こそ最強だと思いますし、本作品は自分にとってそれです。最強の一番の原因は必要最小限まで削り落とした脚本ですかね。落ちまでもって行くストーリーは最小限のフックで十分理解できますから、手取り足取りの脚本ほどリスキーだと思いますよ。それとなんと言っても母親役の“ミュウ=ミュウ”が現役バリバリで嬉しい限りです。
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