パピヨンさんの映画レビュー・感想・評価

パピヨン

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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

なんでしょう この計算され尽くしたような“ゆるさ”にはやられます。
森田芳光の「家族ゲーム」にも似た世界観は “すっとぼけた”転がし方で社会の底辺に生きる人間をこれ程までに愛おしく感じさせてくれます
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(2023年製作の映画)

3.5

リドリー・スコットの「ナポレオン」みたいかなー? 戦争スペクタクル·バイオレンス。ピンポイントでその辺りを観ていただけたら一見の価値ありってとこでしょうか。ギャグの部分や北野監督の戦国時代への視点と>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

サスペンス / スリラー / 法廷劇 / 女性監督による史上3作目のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作 / アカデミー賞5部門ノミネート と本作品の華々しい事前情報を胸にスクリーンに向かった多くの方が>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

誰でも名前は知ってる「ナポレオン」でも誰でもが知ってるわけじゃないフルネーム「ナポレオン·ボナパルト」と その功罪ですね。
18世紀末のフランス。軍人のナポレオンは大活躍を続け総司令官に その後更
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.2

フランスの鬼才ギャスパー·ノエ監督との初遭遇です。
心臓病を抱えた物書きの夫と 認知症が進行している元医師の妻。独立した息子は両親の心配はしていながら 子育てをしながらもどうにもポンコツで 金の
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弟は僕のヒーロー(2019年製作の映画)

3.9

イタリアの男子高校生がダウン症の弟とYouTube動画をアップし そこからベストセラー小説へと発展し 更に映画化となったそうな。
姉二人を相手に日々奮闘している5歳のジャックは 念願の弟が生まれ
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私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?(2022年製作の映画)

3.9

世界一のフランスの原子力企業で労働組合代表を務めるモーリーン·カーニーは 会社と中国との極秘取引を知り会社と労働者とフランスの未来のために内部告発をするのです。そして彼女は目に見えぬ強大な力に寄り自>>続きを読む

ミツバチと私(2023年製作の映画)

3.9

フランスからバカンスでスペインにやって来た家族にはご多忙に漏れず問題があります。8才のアイトール少年は自身の性別の違和感に苦しんでおり 母親はそんな息子との向き合い方に思い悩んでいます。この事がこの>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

ケリー·ライカート監督とは初遭遇ですが、アメリカでは相当高く評価されている女性「インディペンデント映画作家」の様ですね、知りませんでした。
本作品は西部開拓時代のアメリカはオレゴン州の未開の地が舞台で
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

私は“ことのほか”本作品の評価が高いのは意外であり “ことのほか”嬉しいです。
私にとって本作品は“ 綾野剛”の力技でして この余りにも個人的感覚は 2015年の「ピース オブ ケイク」と同様です。
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.8

監督·脚本のトラン·アン·ユンとは「青いパパイヤの香り」と「シクロ」以来のなんと30年弱ぶり!と云うスパンでの再会でした。その間の日本映画「ノルウェイの森」も未だに観ておりません。
19世紀末のフラン
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雪山の絆(2023年製作の映画)

3.8

ファン·アントニオ·バヨ監督は「インポッシブル」以来の遭遇ですがその間にはド!ハリウッド作品「ジュラシック·ワールド 炎の王国」なんて引き受けたりして触れ幅あるんだなーっと思ったりチョイ寂しかったりし>>続きを読む

理想郷(2022年製作の映画)

4.1

これ好きですね~このドキドキ感がたまりません!スペインの新鋭ロドリゴ·ソロゴイェン監督との遭遇に感謝です。
スペインで実際に起こった事件がベースだそうで世界中どこの国でも田舎だろうが都会だろうが近隣ト
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.9

“漫画”にほぼ触れることの無い自分には原作が大変人気の“それ”であると知り驚いてます。今更ながら漫画のクオリティーに脱帽です。長編小説よりこっちの方がタイパ抜群ですかね。
今泉力哉監督では「窓辺にて」
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.1

自分のようにハリウッド映画よりフランス映画が肌に合う方って結構多いみたいですね。60代から上の方はフランス映画が日本を席巻していた頃をご存知ですかね。57歳のフランソワ·オゾン監督作品は2023年の2>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.2

石井裕也監督作品では、「川の底からこんにちは」や「舟を編む」や「乱反射」や「月」が好きですが、そこに本作品が新たに加わりました。それもNo.1かな。
映画監督としてメジャーデヒューの一歩手前で、企画·
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(2023年製作の映画)

4.0

石井裕也監督は、「川の底からこんにちは」や「舟を編む」や「乱反射」が好きです。音楽の岩代太郎は近年、日本映画界でも益々実績を積み上げてますね。
原作は、相模原市の知的障害者施設で実際に起こった、元職員
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ローマの休日 4K レストア版(1953年製作の映画)

4.5

過去にスクリーンは勿論、テレビ放映でも幾度となく観てきたけど「70周年」と云うことで、2024年のスクリーン初詣はこれに決めていました。
日本公開は敗戦間もない「1954年」だそうで、当時多くの国民が
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

ヴィム・ヴェンダース監督(「パリ、テキサス」「ベルリン·天使の詩」「ミリオンダラー·ホテル」)の切り撮った日本人、日本の風景ですかね。そこには職人気質やプロ意識や倫理観や完全なる自立など、誰しもが欲し>>続きを読む

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

4.0

監督:山田洋次✕主演:吉永小百合の「母べえ」「おとうと」「母と暮せば」そして本作品と、右肩上がりのクオリティだと思います。
台詞や考え方が時代的にズレてる!
吉永小百合が役にしっくりこない!
あれこれ
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

4.0

例えるなら、
現代の日本の主婦が、1582年本能寺の変で自害したとされる「織田信長」の遺骨を発見するようなものですかね。
主婦フィリッパ(サリー·ホーキンス)は職場で理不尽な扱いをされ、夫とは別居中で
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熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

3.9

「君は行く先を知らない」のパナー·パナヒ監督のお父上である、巨匠ジャファル·パナヒ監督の作品です。監督自身が脚本·製作·主演を努めた社会派というスタイルは既に定着している様ですね。
パナヒ監督は偽造パ
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君は行く先を知らない(2021年製作の映画)

3.9

パナー·パナヒ監督の長編デビュー作は素晴らしいスタートダッシュを見せてくれました。こんなに切ない家族のロードムービーは今まで出会ったことありません。
イランの広大な大地を車で旅をする四人家族は、足にギ
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あしたの少女(2022年製作の映画)

4.2

女子高生が実習生としてコールセンターで働く前半は実際の事件を再現し、女刑事がその彼女を自死へと追いやった真相に迫る後半はフィクションとなる二部構成です。
実際に起こったこの息苦しいまでの女子高生自死事
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1

山崎貴✕白組✕ROBOT✕TOHOスタジオ✕佐藤直紀·伊福部昭····✕キャストの総合力でゴジラ映画最高のクオリティとなったことは賛同します。
山崎貴監督の作品では「ALWAYS三丁目の夕日シリーズ」
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⾼野⾖腐店の春(2023年製作の映画)

3.9

三原光尋監督は前作の「オレンジ·ランプ」(原作:山国秀幸)で、39歳で若年性アルツハイマー型認知症を発症した、二人娘を持つ父親を描いています。これは本人ではなく、妻·娘たちや友人や職場の仲間·上司と、>>続きを読む

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

3.9

イスラエル映画「フットノート」のリメイクだそうです。
パリでそれぞれが指揮者として活躍している父親のフランソワと息子のドニですが、互いを思う気持ちは公私ともに複雑なようです。そんなある日フランソワのも
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6月0日 アイヒマンが処刑された日(2022年製作の映画)

3.8

ナチスのホロコーストで多くのユダヤ人を強制収容所に送り込んだ“アドルフ·アイヒマン”は、逃亡の末 1961年 になってイスラエルで裁判にかけられ死刑判決を受けました。
一家でイスラエルにやってきたリビ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

ウェス·アンダーソン監督は、「ムーンライズ·キングダム」「グランド·ブダペスト·ホテル」「犬ヶ島」くらいです。
過去にハマってきた監督たち同様、ファーストコンタクトで魅了され“もう一作品観てみたい”と
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マシュー・ボーンの「眠れる森の美女」(2013年製作の映画)

4.0

能楽·歌舞伎·落語·演劇·ミュージカル· クラッシックコンサート·ミュージックコンサートと、あれこれ体感してきたけどさっすがにバレエは未体験!で、スクリーンで疑似体感です。
台詞も歌唱もなく、ただただ
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.6

官民合同の自警団は、「言葉が変だぞこいつら朝鮮人だ!」✕「待て待て、日本人だったらどうする!」
厳しい差別に晒されている部落出身の行商団長は、「朝鮮人なら殺してもいいのか!」
先ずもって、100年前の
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母と暮せば(2015年製作の映画)

3.9

「父と暮せば」2004年 監督:黒木和雄
原作:井上ひさし(戯曲) を山田洋次監督が、意思を継ぐことで生まれた作品ですね。
福原伸子(吉永小百合)は、三年前の長崎への原爆投下で亡くなった医大生の息
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春に散る(2023年製作の映画)

4.0

瀬々敬久監督作品では、「ラーゲリより愛を込めて」「護られなかった者たちへ」「アントキノイノチ」が好きです。横浜流星の出演作では、「ヴィレッジ」「流浪の月」が好きです。
そして日本のボクシング映画では、
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大いなる自由(2021年製作の映画)

4.2

カンヌ国際映画祭で高評価を受けたのが充~分に解る出来栄えに感心しました。ドイツの「刑法175条」は、1871年から123年間にも渡り施行された、男性同性愛を禁ずる法律だそうです。ハンスはその禁じられた>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.2

是枝裕和監督作品では、「ワンダフルライフ」「そして父になる」と本作品が個人的なBEST3です。
脚本の坂元裕二作品では、「問題のあるレストラン」「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」等のテレビドラ
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⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

4.2

モロッコの女性監督マリヤム·トゥザニの才能が、見事に私のストライクゾーンに飛び込んできました。
モロッコのカフタン(日本の着物?)は母親から娘に受け継がれる逸品で、職人の手で数ヵ月を費やし刺繍が施され
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