【劇場にはおっさん(私)一人。深夜の映画館は貸切状態】
憧れのエルビスから見染められた14歳のプリシラ。不安がる両親をよそに、エルビスにゾッコンの彼女はエルビスの誘いを受け入れ速攻で一緒に住む。
と言っても二人っきりではなくいつも仲間と一緒。そして売れっ子のエルビスは撮影で長期間不在にもなるし、他の女性スターと噂も絶えない。
でもエルビスはプリシラに優しいし、プリシラを大切にする。エルビスに選んでもらって嬉しい気持ちに偽りは無いし、一緒にいて楽しい、イチャイチャもする。
それの繰り返しが延々と続く。果たしてトップスターと付き合うというのはこういうことなのか?
エルビスがプリシラを好きな気持ちに偽りは無い。そしてプロポーズされ結婚する。二人は幸せに暮らすのだが、結局プリシラはずっと小骨が刺さった状態のよう。小骨ほどの些細な違和感など無視していたらいつの間にか忘れてしまうはず、でも無視出来ないねんなあ、小骨って。
エルビスはプリシラを愛しているのは本当だけど、「自分が愛するプリシラ」が好きなだけ。結局プリシラを一人の女性として尊重はしていない。
ちょっとした行き違いはどんなカップルや夫婦にもある。それが飲み込める範囲なのかそうではないのか。
二人がベッドでいちゃつきながら枕で叩き合い、少し強くエルビスに当たるシーンがある。あそこが二人の関係の全てだと思う。
女性監督だから、という括りは好きでは無いが、でもやはり女性目線でちゃんとプリシラという人物を描いているのはソフィア・コッポラだからこそ。
しかしこの作品、おっさん一人で深夜に観る映画か?!という事も含め、映画館で一人感動に浸るのでした。