【エブリマンって名前は今でもカッコイイ】
1963年の作品だが、当時のサラリーマンの生活、中年男の生き様が活き活きと、そして哀愁たっぷりに描かれていて同じ時代のクレイジーキャッツのサラリーマン作品とは違った趣きがある。
酒が好きで毎日飲み屋でハシゴ酒、仕事もパッとしない一介のサラリーマン江分利満。だが彼の素材を見抜いた雑誌編集者は、ある日彼に小説執筆を依頼する。
自分の平凡とも特徴的とも言える人生を綴る江分利満氏の小説はたちまち大ヒット。小説の内容を紹介するような体裁で映画の中で江分利氏の生活や人生が語られ、小説と映画がシンクロしていく。
途中、アニメで表現されたり合成映像やストップモーションなどが使用されるなど、かなり斬新で攻めた作品。この時代ににこの尖り方、カッコいいー。
終盤、江分利氏が後輩を引き連れて飲み屋をハシゴしダラダラ喋るシーンがあるが、そのシーン自体が飲み屋で目上の人からなかなか解放されないシーンのようにダラダラと撮られている。
「何を見せられてるんや」「早く解放してよ、帰らせてよ」誰しも何度も経験している事が映画で表現されている。最近でこそリアルでハシゴ酒の機会もめっきり少なくなったけど、思い出すわ〜。
日本に活気があった時代とそこに生きた先輩たち、ちょっとウザいけど彼らの人生とその時代を活き活きと、斬新に描いていて世界観にハマってしまった。
クレイジーキャッツものも好きだが、こちらも好き。自分自身、勢いのあった時代のサラリーマンにある種憧れているのかも。