ぶみ

不死身ラヴァーズのぶみのレビュー・感想・評価

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)
3.0
それでも私は恋をする、何度でも。

高木ユーナの同名漫画を、松居大悟監督、見上愛、佐藤寛太主演により映像化したドラマ。
運命の相手「甲野じゅん」と両思いになるたびに、その彼が消えてしまう主人公の姿を描く。
原作は未読。
主人公となる長谷部りのを見上、りのの運命の相手である甲野じゅんを佐藤が演じているほか、青木柚、前田敦子、神野三鈴、落合モトキ等が登場。
物語は、甲野じゅんと両思いになるたびに目の前から彼が消えてしまうという謎設定をベースとして、りのの中学生時代から現代パートとなる大学生時代の様子が中心となるのだが、やはり本作品の肝はその設定であり、それが全てと言っても間違いではない。
そんな変わった設定のりのを見上が好演しているが、中学生時代を演じるには流石に厳しかったかなと感じた反面、実年齢では二十代後半となる佐藤の方が無理なく見ることができたのは意外だったところ。
そんなりのは、じゅんが登場するたびに、すぐに好きを伝えるという側から見るとかなり痛いキャラクターで、いかにも漫画チックらしいなと思うところなのだが、見上のパワフルさで押し切っており、常識的な尺の長さに綺麗におさめていたのは好感ポイント。
また、大学生時代のパートで、皆でカラオケ店に行くシーンがあるのだが、一人がオフコースのヒット曲『さよなら』を熱唱していたのは、オフコース、ひいては小田和正が人生の師といっても過言ではない私としては、世代を超えて愛されているのかと感じ、一人ほくそ笑んでしまった次第。
終盤に向けて、出来事の真相が明かされていく様はサスペンス調でもあり、りのが放つ真っ直ぐなエネルギーの原動力として、それなりに腑に落ちたところであるとともに、青木演じるりのの幼馴染の田中が良いやつすぎて、こんな親友が一人いるだけで、人生が彩られるのだろうと感じた一作。

今日という日は、もう一生来ないから。
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