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No.10のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

No.10(2021年製作の映画)
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【ヴァーメルダムは監視の末、はるか遠くへ投げ出した】
『ボーグマン』の鬼才アレックス・ファン・ヴァーメルダムが長編10作目として『No.10』を発表した。毎回、奇天烈な世界観を提示してくるヴァーメルダム監督だが、今回は自分の傾向を軸にはるか遠くまでシナリオを投げていくタイプの作品であった。

ヴァーメルダム監督はどうやら「監視」というテーマにこだわっているらしい。『ボーグマン』では、謎の訪問者が家族を監視し支配する話であった。『シュナイダーVSバックス』もヒットマンが監視する話であった。今回は、不倫を軸に見る/見られる関係性を描き出している。車から出る。男は携帯で女に連絡する。彼女は出るが、車が堰き止められたことでバレそうになる。バックミラーでバレるかどうかが描かれている。そして監視の目としてビデオカメラが使われたり、演劇における見る/見られるの構図に落とし込んでいたりする。その中で、どんどんと遠くへ物語は転がっていき、思わぬ方向へと放り出されてしまう。映画は排出でもって監視の関係が崩壊するのだが、観客もそこへ飲み込まれ、よくわからない余韻を残すこととなった。これ以上は何も言えない珍作である。
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