片腕マシンボーイ

正義の行方の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

正義の行方(2024年製作の映画)
3.5
元死刑囚が逮捕されて以降似たような事件が起きてないとなると……やっぱり真犯人なんかなぁ?なんてなんの根拠にもならない素人考えで観ていたら、かつての捜査関係者がドヤ顔で全く同じ考えを根拠として堂々と披露していて……まぢなんの責任感も無いのな!ってド肝を抜かれたぞ

1992年、福岡の山中でふたりのいたいけな少女が遺体となって発見された飯塚事件、犯人の死刑執行後も警察の杜撰な捜査による冤罪では?と疑われる事件に突撃すんぞ!ってドキュメンタリー

フィクション作品やと無実の罪を着せられた主人公が身の潔白を証明すべく立ち向かう!なんてのはよくある展開ですが……
ノンフィクションのドキュメンタリーな本作は腕利きな社会部記者達が何年にも渡って取材を続けるも、元死刑囚が真犯人である!っつ〜決定的な証拠も、いやいや無罪である!っつ〜説得力ある根拠も出てこず、まぢ白黒ハッキリしない難事件でして
観る前はあ〜横暴な警察によりなんの罪もないのに濡れ衣着せられてしまったんでしょ!ぷんぷん、思っていたのに、警察の主張を聴けば、え……そんなもん有罪確定やん、付け入る隙もないやん、真犯人やん!なるし……、ところが取材班の報告を見てみると、ありゃ〜これだから警察は信用ならんのよ!なる始末
まぢもう30年も前の事件で、犯人では?と思われる元死刑囚も、すでに死刑の執行によりこの世に居ないわけやからば、は〜い、ワタスが真犯人です〜、なんて新たな容疑者でも出てこない限りは真実は永遠に闇の中なのであります……

まぁ、真実は闇の中とはいえ、警察が誘導尋問っつ〜モラルに反した捜査に携わっていたことや、当時の最新技術であるDNA判定がまだイマイチ信頼おけなかったんも間違い無さそう、そのうえ真実が曖昧なままに死刑を宣告した司法や執行した内閣等、国の杜撰過ぎる体制の恐ろしさには震える怪作でしたね

1992年と言えば、マシンボーイも被害者の少女達より少し年上の小学生、親が一戸建てを建て、マシンボーイが人生で1番愛したと言っても過言では無いクッキーちゃん(黒柴)と出会ったころかぁ、マシンボーイの幸せのはるか西でこんな複雑で陰惨な事件が起こっていたとは……
あ、かつての捜査関係者のご自宅に取材するシーンで柴犬ちゃんがちょっとだけ映ってましたね、終始重苦しい本作の唯一の癒し、ぺろぺろ