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セラフィーヌの庭のleylaのレビュー・感想・評価

セラフィーヌの庭(2008年製作の映画)
4.2
フランスの画家セラフィーヌ・ルイの伝記的作品。この作品がどうの、というよりもセラフィーヌの人生に打ちのめされました。余韻がぐるぐる渦巻いてます。この画家を知れたことだけでも100%満足⭐︎

↓ネタバレ含みます







人生のほとんどを孤独と貧困の中で生きてきたセルフィーヌ。家政婦で稼いだわずかな金を絵の具代に使い、買えない絵の具は自分で作り、夜な夜なろうそくの灯りで絵を描く。奉公先で出会ったドイツ人の画商ウーデが彼女の絵の才能を認めるのだが、戦争と大恐慌によって翻弄され、最後は精神病院で人生の幕を閉じる…。

画商ウーデは初めてセルフィーヌの絵を認めた人で、彼女を見下すことなく向き合った数少ない人でもある。彼と出会わない方が幸せだったのかもと思ったけれど、ラストに大きな木の下でウーデの椅子に座るシーンを観た時に、出会ってよかったんだと思えた。幻想的で良心的な素晴らしい演出でした。パトロンを得て2mのキャンバスに描けるセルフィーヌはとても幸せそうだった。

自然を愛したセルフィーヌの絵画は、生命力の中に毒々しさを秘めていて、魂で描く筆致や色使いに圧倒されます。その絵が劇中で観れただけでも嬉しい。

ヨランド・モローの演技と存在感がすごい!絶妙なルックス!セラフィーヌ本人と錯覚してしまうほど実に素晴らしかったです。



*mimicotさん、ありがとう*
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