【大音量で上映すること!🎸】
スコセッシの近作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のラストで「ロビー・ロバートソンの追憶に」という意味深なテロップが出るんだけど、この映画以降長くスコセッシとコンビを組むことになるザ・バンドのフロントマン、ロビー・ロバートソン(故人)との和気藹々とした関係がゆったりとしたテンポで綴られる。
60年代後半〜70年代半ばまでに活躍したウッドストック一派の【挽歌】とも取れる内容のロック・ドキュメンタリー映画の名作。マーティン・スコセッシ作品の中では技巧に走らず、正攻法なカメラワークと編集リズムにより淡々とした雰囲気が特徴でもある。🤔
出演ミュージシャンが豪華。ザ・バンドを始め、ジョニ・ミッチェル、ドクター・ジョン、ヴァン・モリソン、ポール・バターフィールド、ロニー・ホーキンス、ボブ・ディラン、エミルー・ハリス、エリック・クラプトン、ニール・ヤングetc。英国🇬🇧ロックとは打って変わって老成しており泥臭い演奏が肝。
東海岸、西海岸を代表するアメリカン・ロックの真髄が挙って「最後のワルツ」を踊る。激動の時代を生きたミュージシャン達による【鎮魂歌=レクイエム】的な作品である。大勢のLiveシーンを捉えた素晴らしい撮影は主にヴィルモス・ジグモンドとマイケル・チャップマンが担当。スコセッシらしい流麗なカメラワークに酔う。
個人的にザ・バンドのアルバムでお気に入りなのは『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』『ブラウン・アルバム』『南十字星』ボブ・ディラン御大とのセッション集『地下室』だろうか。
「ロックと映画の幸福な結婚」とも言えるスコセッシの真骨頂的ドキュメンタリー作品でありモニュメント。
「ロックは76年以後、精神を切らしておりまして…」という、ニューウェーブやAORの時代に差し掛かる節目時に製作されたことでも有名な記念碑的作品。ロックよ、静かに流れよ。🎸🥁