みかんぼうや

いつか晴れた日にのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

いつか晴れた日に(1995年製作の映画)
4.1
基本的に苦手意識の強い恋愛物。特に私が男性ということもあり女性視点の作品に没入することはあまりないのですが、今作は思いのほかハマってしまいました。

考える隙を与えないくらい、テンポよく怒涛の展開が続くラブロマンスで、英国の気高く美しさに溢れる画や階層社会が印象的であるものの、実はその話の展開は日本のトレンディドラマのような男女のすれ違いの連続。

描かれるのは、3人姉妹の性格が大きく異なる長女と次女のそれぞれの恋愛劇で、話の内容や展開はかなりベタではあるのですが、「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督のさすがの手腕と主演も演じたエマ・トンプソンの見事な脚本により、「分かりやす過ぎ」とか「出来過ぎ」とかツッコミどころもたっぷりありつつも、この主人公姉妹に魅了され、作品に没入してしまいました。

なので、いつもなら私の中で天の邪鬼が発動して結構引いてしまうような予定調和的な内容でも、このラストに満足し、思わずホロっとしてしまいました。これは登場人物とキャスティング勝ちなのかな。タイタニックで超有名になる前のケイト・ウィンスレットが特に魅力的。

「ストーリー・オブ・マイ・ライフ~わたしの若草物語~」を思い出させる作品全体の雰囲気も好きでした(登場人物、物語的にもあちらのほうが個人的により好きですが)。

最近、10代、20代の頃だったら全く響びきそうになかったこういう作品に結構やられています。歳を重ねて懐が深くなったのか、10代、20代があまりにも頭でっかちで捻くれていたのか。ただ、観られる作品の幅が広がったのは純粋に幸せなことです。そろそろ、マーヴェルあたりも挑戦できるかな!?
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