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龍拳のmatchypotterのレビュー・感想・評価

龍拳(1978年製作の映画)
3.5
この頃のジャッキー、キレッキレ過ぎ。めちゃくちゃカッコいい。

今回はストーリーもなかなかエモい。
最強の称号を得たジャッキーが門下生をしている道場の師匠。

そこに「私を相手しないんだからそんな称号は認めん」と別の道場の師範代がやってきて、自分の師匠が倒されてしまう。
師匠は急所を打たれてそれが原因でそのまま死んでしまう。

一番弟子のジャッキーは師匠の妻と娘を託され、敵討の思いを秘めながら3人で旅に出る。

しかし、仇討ちの思いを師の妻に諌められながら、2人を守りながら、己を見つめながら、己が進む道を切り開く旅を突き進む。

実は師を死に追いやった宿敵の師範代も長年そのことに思い悩んでいて、結果的に仇討ちの志半ばで“清算”がなされてしまい、これはこれでジャッキーのとってはやや消化不良。

亡き師への思いにモヤモヤしていると、今度はその師を討った道場と別の道場とのいざこざに巻き込まれ、師の妻の容態が悪化して薬の代わりに敵対組織の方の用心棒となる。

己の師は討たれて死に、その仇は一線を退くもまだ生きている、でも敵討ちは“清算”。

やり場のない気持ちを抱え、師の妻の看病をしながら、いざこざに巻き込まれ、何が正しいか、結果的に良からぬことに手を貸す形となり、身に付いている人をも殺せるこの武術の使い道に思い悩むジャッキー。

そうこうしているうちにいざこざは激化し、死人も出始める。
濡れ衣も着せられ、仇討ちは保留にして師の妻の看病が恩返しと思い用心棒を続け泥沼化していく。

仇である師範代からは、その腕を認められるもも、“清算”後も結果的に敵対することになる。

これが最後にひっくり返る。めちゃくちゃエモい。

この“仇討ちの思い”を利用されていたことを知り、その思いと達人の腕をいざこざに利用されて仇討ち側の破綻に加担させられてることを、守るべき者が守れなかった時、全てを悟り、彼の怒りが爆発する。

エモい。この最後の闘い、スゴい長尺の組み手。
怒り狂うジャッキーの熱量が余すことなく込められている。

トンファとの組み手、めちゃくちゃスゴい。
どれだけ練習したんだろうかと気になるレベルで真に迫る。

今回のジャッキーは足技よりも手技が冴え渡る。
最後に杖を渡されるまではほぼほぼ体一つで相手する彼のタフネス、キレ、凄すぎる。カッコ良すぎる。

この最後のシーンは、スイッチが入った後の無情さを背負った燃える男の魂の叫び、必見。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
https://community.discas.net/announcements/ib1wyncr43idknqm
別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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