しろくま

若い東京の屋根の下のしろくまのレビュー・感想・評価

若い東京の屋根の下(1963年製作の映画)
3.4
《危ないわね。気をつけてよ》
〝君の方からぶつかって来たんじゃないか〟〝車は左、人は右よ〟〝リヤカーも左か?〟〝当たり前でしょ。あんた責任感じたら自転車のハンドル直してよ〟〝こっちは大事な本が…〟

自転車に乗る桑野蕗子(吉永小百合)と引っ越しのリヤカーを引いている三上良平(浜田光夫)が曲がり角でぶつかって大喧嘩。事故を起こした時にすぐに謝っちゃダメってよく言うけど、そこまで相手を責めなくてもいいでしょって思って観ていたら…。

最悪の出会い方をした相手が実は転入生だったり、隣の家に引っ越してきたお隣さんだったりって、恋愛ドラマあるあるだけど、本作では、彼女の家に下宿することになった学生っていう設定。そんなひとつ屋根の下で暮らすことになった二人の恋模様を描く王道の恋愛映画で、まだ十代の吉永小百合さんが初々しくて、笑顔が最高に可愛いのがいいね。

原作は〝緑に匂う花〟(源氏鶏太著)で、もうすぐ定年退職するオトンの再就職をどうするのかとか、収入が減るので兄姉に援助を求めようかとか問題は山積みで、スネ夫君のママみたいな長男のお嫁さんに対して小百合さんが言っていることって正論だけど、ちょっと言い過ぎって感じかな。

後半、笑顔が少なくなってどうなることかと思っていたら、まさかの…。小百合さんの思い切った発言にびっくり。

視聴メモ:2024.02.09/019/楽天チャンネル
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