櫻イミト

麦秋(むぎのあき)の櫻イミトのレビュー・感想・評価

麦秋(むぎのあき)(1934年製作の映画)
4.0
キング・ヴィダー監督「群衆」(1928)の続編とされる一本。MGMが内容を社会主義的だとして許可せず、監督が私財を投入して制作。友人のチャールズ・チャップリンが自社ユナイテッド・アーティスツで配給した。

大恐慌時代。失業中のジョンと妻メアリーは、叔父が抵当に持っている農場を借り受ける。都会人の2人は農業未経験だったが、失業中の人々を集め協力して農業することを思いつく。。。

面白かった。未開の土地に村が出来ていく過程を小さな農場で再現している。甘い話ではあるが様々な職の失業者たちが力を合わせて灌漑を掘る姿に素直に感動した。

この程度の表現で社会主義的だと評されるのだからナーバスな時代だったのだと思う。しかし、共同体=共産カルトという短絡的なレッテル貼りは現代のネット上でも散見するものだ。

清水宏監督「みかへりの塔」(1941)は実話ベースだが、クライマックスシーンが類似していて思わず連想した。
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