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スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

4.0
【景気よく発火する人体】
黒沢清のお気に入り作品に挙がっていたトビー・フーパー『スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火』を観た。これが景気よく人体が発火する作品であった。

突然、人体が発火するようになった世界における苦悩が描かれる。発火するタイミングは不明で、病室で男女が親密な関係になるかと思いきやいきなり燃え始める。主人公の男もまた、突然発火するようになり、恋人を困らせる。燃えるからには水に腕を突っ込めば収まるかと思いきや、余計に悪化する。腕にぽっかり穴が開き、そこから火が吹くのだ。

意図せず加害者になってしまう苦悩が痛みを伴って描かれるのが興味深い。たとえば、警察に話しかけられ、近づかないでくれと振舞うのだが、彼に触れてしまい炎上する。友人である警備員に発砲されてボロボロになりながら発狂していくのは切ないものがある。

それにしても、ここまで景気よく燃える映画ってあまり見ないなと感じた。
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