しろくま

大空に乾杯のしろくまのレビュー・感想・評価

大空に乾杯(1966年製作の映画)
3.4
《早く乗りたいわね。飛行機に》
〝空を飛びたくてスチュワーデスになったのに地面ばかり歩かされるんじゃ意味ないわ〟〝滝村さん、地上もちゃんと歩けないようじゃ空の上はまだまだね。動いているのよ飛行機は〟

スチュワーデスになるための訓練を受けているのだけど、まるで緊張感がない吉永小百合さん。ドジでのろまな亀だった堀ちえみさんの〝スチュワーデス物語〟と、どっちもどっちの酷さ。2か月の研修を終えて、実習生として機内で仕事をすることになるのだけど、案の定、しっかり間違えて前途多難。〝ハッピーフライト〟とはいかないね。

小百合さんがあまりに酷かったからかどうか分からないけど、堀ちえみさんの頃になると、研修期間は小百合さんの頃の3倍の6か月に増やされてしまって…。可哀そうな気もするけど、あれじゃしかたないよね。

そんな厳しい訓練を経て、一人前のスチュワーデスになるまでのお仕事ムービーだと思ったら、お仕事終わりの恋模様の方がメインって何。それも前半は、十朱幸代先輩、広瀬みさ先輩、和泉雅子妄想女子高生のプライベートにまで踏み込むものだから、まとまりが悪いったらありゃしない。後半は、吉永小百合さんの揺れる恋心にフォーカスしていくので、だいぶ持ち直したかな。

〝大空で乾杯〟するよりも〝地上で乾杯〟することの方が多い本作。それもかなりの酒豪で、日本酒はコップ酒で、洋酒はストレートで飲んじゃう小百合さん。恐るべし、底なしの吞兵衛。それに、相変わらず正論で周りをヒヤヒヤさせる小百合さん。今回もちょっと言いすぎかも。

視聴メモ:2024.02.12/021/楽天チャンネル
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