しろくま

紅の豚のしろくまのレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
3.9
《この店で一つだけ気にくわねえのは》
〝あの写真を外さねえことだ〟〝ダメよ、破いちゃ。ポルコが人間だった時のたった1枚だけ残った写真なんだから。どうやったらあなたにかけられた魔法が解けるのかしらね〟

豚さん族と人間が共存している世界のお話なのかと思ったら〝美女と野獣〟みたいに魔法をかけられて豚さんになったっぽいけど、誰が何の目的で魔法をかけたのかは不明だし、人間の姿に戻って恋を成就させる展開でもなくて…。〝美女と野獣〟では、野獣の姿を見られるのが嫌でお城に引きこもっていたけど、豚さんは、豚の姿をしていることを全く気にもかけていないのが清々しいね。でも、あのお空のエピソードを観ると、自らが望んで豚さんになっているっていう疑惑も…。

それと、ジーナの賭けがどうなったのかについても語られていないけど、ラストシーンをよく見るとその答えが分かるっていうトリビアがあって、確かにホテルの裏にあるプライベート・ガーデンの桟橋に…。普段だったらお昼間は、あのテラスで本を読んでいる筈なのに…。ということは、そういうことね。

〝ラピュタ〟〝トトロ〟〝魔女の宅急便〟とヒット作が続いていたのに、よりによってなんで豚さんが主役なのって、当時は、ちょっとがっかりしたけど、観始めたら相変わらずの面白さ。森山周一郎さんの渋すぎる声が、ポルコの風貌と見事にマッチしていたし、加藤登紀子さんのジーナも艶っぽくて魅力的。かわいいフィオの声は、本作がデビュー作となる岡村明美さん。後に〝ONE PIECE〟のナミ役でブレイクするのだけど、初々しくていいね。

視聴メモ:2023.09.24/143/図書館🅼DVD
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