ねぎおSTOPWAR

アメノナカノ青空のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

アメノナカノ青空(2003年製作の映画)
3.8
これはかなり珍しい、邦題が良い映画。w😆

「探偵なふたり:リターンズ」で第4作目の映画を監督したイ・オニ監督。この女性監督の初長編がこの「アメノナカノ青空」です。
韓国って本当に早くから女性が多く活躍していて、素晴らしいですね!!
監督、編集、プロデューサー・・・
監督にしてもそれぞれ個性豊かで面白いですね!

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脚本はキム・ジンさんで、ストーリーの責任は監督にありません。

おはなしは悲恋と言えるかな?
生まれつきの病のために、明日をも知れぬ命のミナ(イム・スジョン)は母ミスク(イ・ミスク:伝説の「桑の葉」の女優です!!)と二人暮らし。手術を繰り返し病院内で延命をはかる日々に抗い、ミスクはミナを退院させ、学校に通わせます。
そんな中、下の階に引っ越してきた写真を志すヨンジェ(キム・レウォン)がミナに積極アプローチ・・・

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イ・オニさんはたぶん製作サイドから、「まずは自分の本じゃなく他人の企画で作ってみようよ」と先を見据えた愛のある対応でサポートされたと推測。
近2作「女は冷たい嘘をつく」と「探偵な・・」では脚本こそ別人ですが、《脚色》としても参加。・・まあひょっとしたら作家性よりも現場の人なのかもね。
《以下少しネタバレしますね、少しだけ・・》






今作、邦題の元になっている傘がひとつのキーですね。
傘の内側には綺麗な青空がデザインされているわけです。
傘って降りしきる雨から”キミ”を守ってあげるよ!って存在。
雨を忘れさせ、青空を見て!!というのはまるでミスクやヨンジェと同じ存在。

今回とりわけ素晴らしいなって思ったのはイ・オニ監督のミナの描き方。
キム・ジウン監督「箪笥」で新人賞を受賞したイム・スジョンですが、元はモデルです。
イ・オニさんはイム・スジョンにそんなに激しい感情表現をさせていません。一か所かな。あとは極めて微妙な仕草や顔の変化を捉えました。
まあオーソドックスと言えばそうですけど、長編一作目でこれ出来るのって凄いなと。(過去作観ての印象としては、イ・オニさんってさほどデリケートではなくはっきりした方のようにお見受けします)
イム・スジョンさんがね、少しずつ少しずつ可愛らしく見えてくるんでね。これは計画的でしょうし上手いところですね。

後半若干の驚きと新たな思いがあります。
是非ご覧ください。




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