ちょげみ

ダークナイトのちょげみのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.3
面白い!!
何回見ても色褪せないし、新たなヒーロー映画が公開され自分もその熱狂の渦に巻き込まれていっても、結局のところこの映画に戻ってきてしまいます。


なぜなんだろう?と考えてみると、まあ色々理由はあるのですが、一番はやはりヴィランであるジョーカーの魅力が他の作品と比べて群を抜いているからでしょう。
で、あろうことかヒーロー映画としては珍しい、バットマンが持つ「正義の魅力」みたいなものよりもジョーカーが放つ「悪の魅力」が上回っている作品となっております。


でも悪の魅力とは何なのか?そもそも悪とは何なのか?という事を考えるとキリがありませんし、こうも難解な問いにぱぱっと答えを出すのは少しはばかられます。
それでも考え方は人それぞれだよね、という楽観的なマインドで暫定的に答えを出すなら悪とは「自分とは
違うもの」ではないかと思います。

そして魅力という観点で見ると「自分にはできないことができる」「自分にはいえないことが言える」、そういうところが惹かれる一要因なのではないかと思います。

本作で出てくるジョーカーもしかりで、軍事技術の最先端をいく装備で武装し、専守防衛に務めるバットマンよりは、保身もせず自己防衛のための手段も持たず、そして顔を衆目の前にさらしながら自分の目的を全うしようと奮闘するジョーカーのほうが魅力的に思えるのでしょう。
目的というのもまさにある意味崇高といえる(いや、いえないか)というもので、なんとかなっているようでなんとかなっていない世の中、人間が騙し騙しの自己欺瞞みたいな感じで成立させている書き割りみたいな世界の本質を炙り出してやる、という僕らの潜在意識に眠っている破壊願望、暴露願望みたいなものを表したみたいな目的です。

ただ、魅力というのは「隣の芝生は青くみえる」的な話なので、仮に自分が本心からやりたいことではなくっとも、それが他人がやっているという、とか自分とは価値観や倫理観が全く違うという理由だけで羨んだりしているしているのかもしれません。

だからまあいくらジョーカーが命を投げ打ってでも達成したい目的というのが魅力的に思えても、それに相乗りすることは許されない、といいますか。
たとえこのガチャガチャした世界に嫌気が差していようとも、バットマンみたいに時に泥を被りながら、粘り強く、何かを守るために生きていかねばなりません。

...話が変な変更に向かってしまいましたがとまれかくまれ。
本作「ダークナイト」はただならぬ魅力を備えているのはまあ間違いのないところだと思います。
また数年後に見返してみようかな。
ちょげみ

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