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父ありきのDのレビュー・感想・評価

父ありき(1942年製作の映画)
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戦時下唯一の小津作品のため、戦後閲覧の影響により、場面の削除や音声が修正された87分の短縮されたバージョンのみの時代があった。

戦時色が強いため、「正気歌」のシーンやラストの「海ゆかば」の音声がカットされたことが知られている。

その後、オリジナル(94分)に近い修復版や復元版が登場し、今日に至る。

物語は、この頃から示されている親と子の理想的な距離感が描かれており、身も心も近過ぎず遠からず、笠智衆、佐分利信による情愛溢れる完成系が示されている。

戦時中当時のロケーションの数々も貴重な映像である。

小津の中でも最高クラスであり、録音状態が酷く聞きづらいのがもったいないが、それを補って余るものがある。

特に、小津の幼少期、父親像が本作にそのまま投影されているようにる思い入れが感じられる。

日本映画の三大巨匠!!!
最低限みておくべき10作品はこれ!(1930年代〜1960年代の日本映画も紹介)
https://narcos.hatenablog.com/entry/japanese-movie-ranking
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