しろくま

荒野の七人のしろくまのレビュー・感想・評価

荒野の七人(1960年製作の映画)
3.8
《カルヴェラの一味が毎年やって来て》
〝物を盗んで好き放題にするのは我慢できません。助けてください。鉄砲を買って戦いたい〟〝鉄砲は高くて簡単に買えない。人を雇ったら?ガンマンを。銃より人の方が安い〟

カルヴェラ率いる盗賊の集団が村を襲って、極悪非道の限りを尽くし…。これじゃあ村人は生きた心地がしないね。こんな状況を打破するために、ガンマンを雇って、懲らしめてもらおうと思ったのに…。

メキシコの検閲官に脚本を見せてOKだったらすぐに撮影ができる筈だったのに、いろいろと注文が出されて、例えば〝メキシコ人はすぐに人に頼るって思われたくないから、戦うための武器を調達するシーンを加えること〟とか、〝村人の服装が汚れているとメキシコのイメージダウンになるから、きれいな服を着せておくように〟とか、いろいろと口出しをされて、脚本の修正が大変だったみたい。

ユル・ブリンナー、スティーヴ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンら豪華俳優陣がキャスティングされたのだけど、ユル・ブリンナー以外は、当時まだ無名だったため、爪痕を残そうとみんな必死で、無駄な動きがやたら多くて、撮影も大変だったみたい。牛を相手に闘牛士の真似ごとをしている謎シーンも、もちろんアドリブ。そんな制作秘話が特典映像として語られているDVDがお勧め。

村人を守るために集まったガンマンたちが、悪者を退治するスカッとするような勧善懲悪の話だと思っていたら、なんか違っていて…。悪者にやられそうになる絶体絶命のピンチを何とかして回避するのかと思ったら、あっさり捕まって…。悪者に情けをかけてもらって、殺されずに済んで、そのうえ武器も返してもらって解放してもらったのに…。そこまでしてもらっておきながら、その後の展開にびっくり。そこまでやる?それって人としてどうなの?

視聴メモ:2024.02.07/017/図書館DVD(吹替)
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