mayumayu

メメントのmayumayuのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
3.6
頭部外傷の後遺症で、10分経つと新しい記憶が消える男。最後の記憶は殺されていく妻。
目覚めるたびに、妻が殺された瞬間の記憶が蘇り、新しい記憶が蓄積されることはない。
「自分の心が癒される時は来るのだろうか?」時が癒す、という事は彼にはないのかもしれない、というのは切ないと思いました。

上映時観た記憶がありますが、一回しか見られていないので、おそらくあまり理解できていなかった。
それ以来の再見。
いやあ、クリストファー・ノーランらしい映画。TENETとか、プレステージとかを思わせる。
10分くらいの順行記憶再生。それを繰り返しながら、過去に映画は遡っていく。結末を見ているにも関わらず、過去を覚えていない男の記憶再生なため、どんでん返しの数々。初回より理解して面白く観れた。
当時も話題沸騰だった凝った構成、新しかったと思うし、面白くなくはないが、上記両作品と同様にあまり後味は良くない。
あと、役者さんがマトリクスに出てた人だ感(私だけか)
以下ネタバレします。未見の方は読まないことをおすすめします。



















主人公は復讐の鬼とはなっているがどちらかというとまともな人間という前提が最後崩れる。
殺した相手の服を着るとか、ねえ。愛する気持ちは嘘じゃないが、やはり常軌を逸してはいるのか。
キャリー・アン・モスの豹変ぶりに驚く。ガイ・ピアースが忘れちゃうのをいいことに、あんな酷いこと言う?恐ろしい。そしてそれに動じることなく利用し続けるの怖い。
ジョー・パントリアーノは最初に殺されるから、これが犯人かと思ったら違うし。
刑事なの?しかも利用したの?
それに怒った主人公から「新しい事実」の標的になるように仕向けられていたの?
「サミー」の話はかなしくて、奥さんが切なくて、と思っていたら、あれは記憶のすり替えで、サミーの逸話だと思い込んでいたことが自分と実は殺されていなかった奥さんの話だったの??
構成があまりに凝っているので、感情が動いたり、余韻が残ったりする余地がなくなっていると思う。決して面白くない訳ではない。
mayumayu

mayumayu