この映画をサスペンスと考えるか、人間の本質に迫るヒューマンドラマと考えるかによって評価は変わってくるとは思う。
サスペンスとして考えると、物語が進行するにつれ、明らかになってくる真実にザワザワするし、それは映画としては成功だとは思う。だけど、最後の最後でまだ暴かれてない真実があるんじゃないか、という疑念が残ってしまうのだ。
映画の構造としては確かに面白いし、そこは評価すべきで、評論家たちもそこにこの映画の価値を感じたのだろうけど、エンディングが説明不足で、エンターテイメントとしては消化不良なのだ。
一方、ヒューマンドラマとして見ると…いや、やめておこう。やっぱり、そんなに人間観察が鋭いと思うような映画ではない。
結局、私にはそんなに高評価は出来ないのである。
