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蜩ノ記のmayumayuのレビュー・感想・評価

蜩ノ記(2013年製作の映画)
4.1
ふとしたことから城内で刃傷沙汰となってしまった若侍檀野。切腹の沙汰を免れた代わりに、7年前に罪に問われたが家譜の記録のため10年の猶予が与えられ、あと三年が残っている戸田秋谷の下に、家譜の清書と戸田の監視のために差し向けられる。戸田の家に住み込みとなり、戸田と戸田の家族と過ごしていくうちに‥

岡田准一が‥若い!まっすぐな気性の侍にぴったりな佇まい。
役所広司が人格者を演じて説得力があります。
堀北真希が可憐ながら真の通った娘を演じ、透明感が素晴らしい。原田美枝子が妻役ですが、あの送り出すための衣を縫い、支度をし、そして送り出したあとのあの表情‥すごい。夫婦共あの演技すごかった。
戸田家の息子を演じた子役の吉田晴登くんはなかなかいい演技だと思いました。

同じ時代劇だけど、散り椿より複雑。悪vs善というわかりやすい構図ではありません。派手な殺陣もありません。善は全き善ですが、悪役に味があって、自分の足袋を自分で繕って履くご家老さま😁
お家騒動が起きたらすぐに取り潰される時代のお話。戸田の選択はそんな時代だからこそ。 ちょっと現代とは違う‥全ての原因を作ったくせにみんなに慕われる先代は誰だと思っていたら、役者「三船史郎」三船敏郎さんの息子さんなんですね。説得力ありました。
美々しい映像と殺陣は散り椿に軍配ですが、えも言われぬ味わいがあり、この映画も良かったです。
原作読んでから五年経ってて、それくらい経ってるとこだわりなく見れてよかった。散り椿と蜩の記、また原作読み返してみようかな。
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