ここでタイトルバックだよな、ってのをスカされちゃう映画はなかなか相性がよかったりするんですが、これもその例に漏れずハマりました。
あなたはほら、こんなにも不用品なんですよと、懇切丁寧に諭すように教えてくる前半のシークエンスがひどい。(ほめてます)
とてもひとの所業とは思えない。(ほめてますったら)
落書きの傘は打ち捨てられたのに、スノードームにはちゃんとお迎えがきたときの温人の反応が刺さります。
とはいえ、選ばれたほうのスノードームさえも、実のところ居場所を見つけられなかったりもして。
りんごスープからの、もう何も言わなくていいの会話シーンが秀逸。(よく考えたらめちゃめちゃ無自覚にマウント取ってたりするんですがそこも含めてリアルでイイ)
愛ってやつは、とことんかたちもいろもにおいもないもんだから。
血がつながってるからって信用なんてできないし、名前だけ家族になったって安心なんてできない。
そばにいるからって伝わるものではないし、ましてや打ち捨てられてしまったのであれば何をか言わんやでありますが。
だからといって、なくなってしまったわけではないというところが、酷ではあるのですが、結局のところ救いになってくれるのでありますね。なんだかつくづく憎らしいおはなしではあるのですが。(ほめてますよ)
佐々木希が丸い。
中村倫也が若い。
でも菅田将暉は今とぜんぜん変わらない。