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ぼくと魔法の言葉たちのchaooonのレビュー・感想・評価

ぼくと魔法の言葉たち(2016年製作の映画)
3.8
自閉症により2歳から突然言葉を失い、6歳まで家族を含め誰ともコミュニケーションを取ることが出来なかったオーウェン💬
ディズニーアニメを通じて言葉を取り戻した家族の奮闘の軌跡と、23歳になり自立を目指すオーウェンの姿を捉えたドキュメンタリー🎥✨

自閉症というものをより知るためにもとても学びになるドキュメンタリーでした。
まずびっくりだったのが、2歳までは普通に喋れていた子が、ある日突然喋れなくなるということが起きるってこと😳
自閉症ってそう言うパターンもあるの?

1年ぶりに発した言葉がリトルマーメイドのアースラのセリフ「just your voice(声をよこせ)」
あまりに意味を含んでそうな言葉だけど、反意語だという医者。
そしてまた沈黙の日々🤐

そこから3年、ディズニーアニメのセリフを通じて言葉を交わしたパパの回想は泣ける😭
アニメのセリフで言葉を覚え、クレジットで文字を覚える✍️

支援学校へ進学するも馴染めず退学を余儀なくされたり、辛いいじめにあったり、たくさんの苦労があったオーウェンの人生。

自閉症の子供たちにとって、社会は刺激が強すぎる。
アニメの大袈裟な表情や感情表現がオーウェンには分かりやすく、アニメを通じて世界と繋がり、世界を理解する助けに✨
何よりディズニー映画を観るときのオーウェンの幸せそうな顔が全てを物語る🥰

「明日、大人になる」
ピーターパンの中のウェンディのセリフが、自立するオーウェンの姿に重なる🧚
荷造りのお祝いにはダンボ🐘
事あるごとにディズニーアニメを観るシーンがこのドキュメンタリー中に何度か登場するけど、シチュエーションに沿ったチョイスでお見事なのよね👏

オーウェンの19歳の誕生日から交流を持つジャファーの声のジョナサン・フリーマンのくだりが美談🥹🐍
更にはイアーゴの声をやっていたギルバート・ゴットフリードも特別出演🦜

主役ではなく自分は脇役。
脇役は愉快でヒーローを支える存在。
どんな脇役も見捨てないで…
そんな想いで書いた物語であり自叙伝の『迷子の脇役たちの国』
ドキュメンタリーの中でその世界観をアニメーション化するシーンがまた幻想的で素敵だった✨

過去の回想をスケッチブックに鉛筆のタッチのようなアニメーション表現で見せるのがまたエモい🥹✏️

アニメの世界を通じて世界を理解して来たオーウェン。
でも全てをアニメの脚本通りに置き換えることには無理がある。
23歳になり社会へ出ていく立場になって、そのことが顕著になり、一つの壁が立ちはだかる。
彼女とのスキンシップや踏み込んだ関係も同様。
キスでハッピーエンドのディズニーと現実は違う。
人生には辛いこと悲しいことも訪れる。
そして家族に過ぎる未来への不安。

そんな中、フランスでのオーウェンのスピーチや就職する姿を描く終盤は壁にぶつかりながらも成長し、希望に満ちた未来が垣間見れるものだったので胸が熱い🥹
スピーチで私の大好きなノートルダムの鐘を引用してるのがまた余計に泣けたわ🥲
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