真世紀

ザ・リチュアル いけにえの儀式の真世紀のレビュー・感想・評価

3.6
大学時代からの交友が続く中年五人組。パブで呑みながら「もうアムステルダムでバカ騒ぎなんて年でもないだろう」なんて長期休暇の滞在先を検討中。一人が健康的に北欧スウェーデンでのハイキングを提案するも、そのまま決まらずに解散。酒足りないからそこの店に買いに行こうぜ、という主人公に「明日仕事あるし」とすげない仲間たち。一人、ハイキング提案男だけが買い物に付き合ってくれる。だが、店内では強盗二人組がお仕事遂行中。カウンター後ろに倒れこんだ女店員を目にした主人公は早々、棚の後ろに身を隠したが、ハイキング男は強盗に見つかり、財布時計を渡すも結婚指輪を拒否して落命する。

そして、半年後、残った四人の仲間は追悼を目的に生前彼が提案したスウェーデンでのトレッキングへ。「靴を卸してきたよ」と山歩き素人丸出しな仲間の一人が足を挫いたことを契機に「よし、正式なルートから外れるけど、あの森を突っ切ればさっき頂から見えたロッジへは早いぜ」とよせばいいのにな判断のもと、森林へ踏み込んでしまう。

針葉樹立ち並ぶ森林、そこで目にしたのは木に高くかけられたいまだ血も滴るヘラジカの亡骸。この森はおかしいと思いつつ、引き返さずに歩を進め、豪雨に見舞われて逃げ込んだ山小屋には、明らかにやばげな造形物があり、夜には各自の身の上にそれぞれ違った異変。そして、鳴き声を轟かせ、樹木を薙ぎ倒して迫る何者かの存在。

この北欧神話の末裔たるクリーチャーのデザインが秀逸。人身と四足獣の融合というと人の上半身プラス馬体のケンタウルス、牛頭人身のミノタウロスあたりがまず思い浮かぶけど、この配合はなかなか思い付かないよなという。

Netflixでの「こちらもオススメ」でよくあがってきたけど、あらすじに目を通して、森で酷い目に遭うのが中年のおっさん達というのはあんま、食指をそそられんよなぁと、ながらく放置してたけど、エイヤと観たら思いの外、拾い物でした。

なお、雰囲気有るロケ地はエンディングクレジットによると北欧ではなく、東欧のルーマニアなんね。セガールのアクション映画やら、たまにルーマニアがロケ地の映画目にするよね。
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