ぶみ

ランガスタラムのぶみのレビュー・感想・評価

ランガスタラム(2018年製作の映画)
3.5
この世は芝居の舞台、俺たちゃみんな人形さ。

スクマール監督、脚本、ラーム・チャラン主演によるインド製作のドラマ。
難聴の主人公が女性に一目惚れするとともに、長年、村長が変わらず、疲弊している村で、村長選挙に立候補する兄の姿を描く。
主人公となる難聴の労働者チッティ・バーブをチャラン、兄クマール・バーブをアーディ・ピニシェッティ、チッティが一目惚れする女性ラーマラクシュミをサマンタが演じているほか、プラカーシュ・ラージ、ジャガパティ・バーブ等が登場。
物語は、1980年代のランガスタラム村を舞台に、前半はチッティの恋物語、後半は選挙戦がメインに据えられており、全く違う内容となっている。
チャランと言えば、昨年日本公開され、現在もヒット中のアクション作品『RRR』が記憶に新しいところだが、本作品は本国では2018年3月封切りであるため、こちらの方がかなり前ということに。
インド映画と言えば、長尺であることからインターミッションがあったり、突然ミュージカルかのように大人数で踊り出したりするのが、お約束となっており、本作品も、まさにそのフォーマットを準えた展開となっているが、長尺を覚悟していたとは言え、まあ長い。
特に、ラブコメのような前半が私的には無駄に長く感じられてしまったのが残念な反面、後半の選挙戦に突入してからは、チャランが『RRR』のラーマばりの無双っぷりを見せてくれたり、はたまた伏線をしっかり回収していったりと、見どころ十分。
また、チッティが難聴であるという設定が、物語の鍵となっており、サスペンス色を強くしているのも悪くない。
いかんせん、前述のように、覚悟していたとは言え、ザ・インド映画と言っても過言ではない、砂埃舞う中のダンスにアクション、スローモーションに加え、盛り込まれたテーマもてんこ盛りのコテコテな展開は、『RRR』に負けず劣らずの高カロリーぶりであったため、お腹いっぱいになってしまい、時間があれば観ようと思っていた『K.G.F』二作をスルーすることを決定づけた罪深き一作。

声は聞こえなくても、涙が見えたのさ。
ぶみ

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