来世はおしるこ

キングスマン:ファースト・エージェントの来世はおしるこのレビュー・感想・評価

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無印とその続編とは全く違う話で戦争ものらしい、と公開当初に聞いてから「じゃあ違うや(戦争映画を観る気力なんて日々生きててなかなかない)」と思って放置してたけど、スパイものが観たくなってしまい再生、困るくらい面白かった……お願いだから本当にお願いだから続編は作らないで欲しい、作った時は映画館に行って口をあんぐり開けたまま2時間超を過ごしてしまうだろうから……

個人的に思ったのは2点
ひとつ、運命には逆らえないという提示を分かりやすく画で語ってくれたところが秀逸に感じた、救いにもなりうる描き方だった
前線に出た人は戦死してしまうだろう、という誰もが想像できるストーリー(運命)と、主人公キャラは死なないだろうという鑑賞者の勝手な希望とを拮抗させながら、最後には簡単に崖から突き落とす感じ、ああと落胆してしまうけどきっと定められた運命だったんだなと納得させられる流れだった
希望なんて抱くな、ことはもう進んでいる、お前にできることなどないと静かに圧力をかけられるような語りだった
でもわたしは戦わない姿勢を崩さず戦争に対して「絶対に、絶対に絶対にだめなんだ」と言い続ける主人公も観たかった、でもそれはきっと戦後50年後に生まれ、今も運良く戦争に巻き込まれてない身としてのエゴなのだろう、分からない

あともうひとつはラスボスの最期、崖から落ちてって「あ〜」となるんだけど、ここまで観てると落ちてる途中でカットがかかると「あ、そこは普通なんだ」とか考えがよぎって、しかしもっかい落下のカットが入り「あーでもさすがに最後までは映さないよなグロくなるだろうし、日本のB級ホラーじゃないんだから」、と思ったら「あやっぱり」と砂埃の舞うところまで観せられる、徹底的というか「大丈夫、もうこの話はここで終わりだから」と監督の語り癖(?)をまたひとつ見せつけられた気がした

しかしロシア、アメリカ、ドイツは何も言わないのですか?と思うシーンばかりで、レーニンとヒトラーを交えたら本当に怖いことになりそうで気が気じゃないので続編を作るなら現代編でお願いしたいです……
来世はおしるこ

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