Brynhildr38

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのBrynhildr38のレビュー・感想・評価

3.6
上手いけど惜しい。

全世界待望のミステリー小説の完結編の各国同時発売のため、フランスの人里離れた村にある洋館に、9人の翻訳家が集められた。外部との接触は一切禁止され、原稿を翻訳する。しかしある夜、出版社社長の元に「冒頭10ページを流出させた。500万ユーロ支払わなければ全ページが流出する」という脅迫メールが届く。(あらすじより)

つかみはオッケーだったが、期待が大きくなり過ぎたのか?
二転三転して飽きさせない展開は良いが、感情移入できるような魅力的なキャラの掘り下げが無いことと、「犯人」の真の目的とその方法に合理性を感じないため、どっぷりとした余韻には浸れない。

それでも、この映画のキャッチコピーは、作品に似つかわしいカッコいいものと思う。
 「あなたは、この結末を〈誤訳〉する」

秘書ローズマリーの見せ場(理由)が、とても解りづらいのが残念。自国語以上に語れる言葉を持っている翻訳家は凄いと思うし、相手にわからない言語で作戦会議するシーンは秀逸。「オリエント急行殺人事件」のエピソードは、演出凝り過ぎで意図が汲み取れない(答えを知っている人ほど???)。ちなみに8,000万ユーロって約100億円ですけど!。

気になってもう一度観たくなる。
Brynhildr38

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