Brynhildr38

悪人伝のBrynhildr38のレビュー・感想・評価

悪人伝(2018年製作の映画)
3.8
これぞ韓国ノワール!!
何者かに襲撃され重傷を負ったヤクザの組長が、無差別連続殺人事件を追う刑事と協力して犯人を追い詰めていくさまを描く。(あらすじより)

韓国のバイオレンス物としては残酷度は控えめ、かつ日本のヤクザ映画のような大声での罵り合いも少ないのは個人的に好み。

テーマは「極道の生きざま」で、構図としては「ヤクザ&刑事 vs 連続殺人鬼」。と、言いながら実態は、マ・ドンソク兄貴の男っぷりを楽しむ作品。

マ・ドンソク兄貴は、あの強面とプロレスラーのような体でありながら、たまに人の良さそうな側面を見せて癒しを与えるので、とてもズルい。ハリウッド作品では、なかなか見出だせないキャラクターと思う。

この作品においても、兄貴以外はもはや引き立てる為の材料に過ぎない。他に頑張っていたキャストは、連続殺人鬼役を演じたキム・ソンギュぐらいで、兄貴の腕力に対抗する狂気を怪演。結局、彼は何者だったのか、もうちょっと掘り下げてくれても・・・。

あと、マ・ドンソクの吹き替えは、ジャック・バウアーと毛利小五郎がちょくちょく入ってくるので、それが残念。

この三つ巴は、斬新と言うレビューを見たけど、刑事のキャラがありきたりで物足りないことと所々既視感もちらほらあって、何とか殺人鬼を逮捕したところまできての作品の評価は「まぁまぁ」かなと思っていたところからのオチへの展開が秀逸。捻りを効かせての「ニヤリ」は、どんな報復よりも怖いよ(普通の人は)。

エロ無しの割り切りも清々しく、終わり方も好み。

面白かったー。
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