映画太郎

8番目の男の映画太郎のネタバレレビュー・内容・結末

8番目の男(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

韓国にて国民参与裁判の事件('2008)に基づく作品は、証拠も証言も揃い刑を量定するだけの裁判であったが、被告人がいきなり嫌疑を否定したため、有罪か無罪かの判決までを迫られることになった8名の陪審員。陪審員の1人であり30年死体清掃をしていた男性が、証言者の発言に対して“ハンマーで殺した傷ではない“と意見。有罪と明確に断定しきれない陪審員ナムを中心に、少しずつ皆の考えや意見が変わり、最終的には裁判長の考えまでも覆す。

真っ先に思い浮かべたこととしては“12人の怒れる男“のオマージュであることでした。当時“12人の怒れる男“を観た時の衝撃は今でも忘れず、本作も作品としては非常に面白く、実験や現場検証まで実施するなど、より動きがあり、ユーモア性の高い作品である印象でした。

実問題として“我ごと“として捉えず結論のみを急ぐことや、“他人の人生を左右することだからこそ丁寧に納得感を持ちたい“人など、事件の重さや自分の過去、感情移入をどこまでできるか、など『自分だったらどのケースに当てはまるか』を考えさせられる作品でした。“12人の怒れる男“よりも、より視聴者側に近しい“感情面での訴え”がより現実的で飲み込みやすいと感じました。
映画太郎

映画太郎