アキラナウェイ

黄龍の村のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

黄龍の村(2021年製作の映画)
3.6
今、日本で尖ったアクション映画を撮れる監督の1人、阪元裕吾監督作。

導入部分を観ていると、なるほどこれは村ホラー。「ミッドサマー」的な不条理な村のルールに翻弄される若者達。

レンタカーでキャンプ場へ向かう、8人の男女。しかし、道中で車がパンクしてしまい、山あいの謎の村「龍切村」で一晩泊めてもらう事に—— 。

前半と後半でガラリと変わる展開。「フロム・ダスク・ティル・ドーン」的な、最初と最後で印象が全く異なる意欲作。

8人の若者達も陽キャと陰キャが見事に分かれる構成。阪元裕吾作品ではもはやアクションのカリスマとも言える伊能昌幸が陰キャとしてこっそり登場しているので、察しの良い方ならこの作品がただの村ホラーで終わるなんて思うまい。

後半は怒涛のアクション展開に。

そりゃもう、アクションシーンは見応えがあって良いのだけど、台詞が致命的に聴き取り辛いのが残念。伊能昌幸もアクションはさておき演技が上手い訳ではないからなぁ。

阪元裕吾監督作品って、素人臭さが良くも悪くも作用する。8人の若者達の演技レベルは若干難ありかと。その辺りをもっとシビアに見てキャスティングも拘っていけば、もっと凄まじい作品を作れるポテンシャルを彼自身が有しているのは確か。

iPhoneで実際に撮影したのであろう、OPとEDの軽快さは良い。サクッと日本のアクションを楽しむ分には十分の出来。

姉妹で戦う、お姉ちゃんの方が可愛くて目の保養。

因みに僕の娘はスーツアクターに憧れて、高校で器械体操部に入部した。いつか彼女の夢が叶い、こんな風に素面で戦う女子に成長してくれたら、僕の目は涙で霞んで画面を直視出来ないだろう。そんな娘がいつの間にか「サンバルカン」のバルパンサーみたいに、連続バク転を2回まで出来るようになっていて、父は今静かに感動している。

さて、本作の評価だが、やっぱり阪元裕吾監督作なら「ベイビーわるきゅーれ」に軍配が上がる。続編も絶対観るんだもんね!!