NAO141

とんびのNAO141のレビュー・感想・評価

とんび(2022年製作の映画)
4.3
この作品好きだなぁ(^-^)
心が温かくなるねぇ(^.^)
泣けてしまうよなぁ(>_<)

本作は重松清の小説『とんび』を映画化した作品である。2012年にNHKで前後編の2週連続ドラマとして放送され、2013年にもTBSで連続ドラマ化されている。愛する妻を亡くした日本一不器用な男ヤスとその息子アキラの関係性を描いた物語である。古き良き昭和の雰囲気や人情に厚い人々との関係性なども含め、非常に心温まる作品となっている。

父ちゃん(ヤス)は男手ひとつで一生懸命にアキラを育てようとするが、うまくいかないことも多い。それをたえ子が母親代わり、照雲が親戚のおじさん、海雲が祖父のような存在として非常に大きな役割を担い、みんなでアキラの成長を見守る。父ちゃんはアキラと喧嘩して険悪なムードになると、仲直りの為にケーキを買って帰る(仲直り=ケーキ)。アキラが上京する際は寂しさもあってトイレに籠城し、アキラの顔を見ようとしない。とにかく父ちゃんであるヤスの不器用さが可愛いんだよなぁ笑。

本作では和尚の海雲がいいんだよなぁ。「ヤス、お前は海になれ!」のシーンもいいんだけど、20歳になったアキラ宛に海雲が書いた手紙がまたいいんだよなぁ、泣けてしまう。この手紙でアキラは母親の死の真相を知るわけであるが、海雲は手紙を息子の照雲に託し「アキラが20歳になったら渡せ。ヤスにはこの手紙の事は言うな。お前(照雲)も読むな。」と遺言し、照雲もその遺言を守り、20歳になったアキラに手紙を渡している。約束を守った照雲、そしてアキラを孫のように見守っていた海雲の優しさ。ここが個人的に一番好きなシーンだなぁ。

アキラは成人し、出版社の入社試験の時にこの海雲からの手紙を元に〈父ちゃん〉についての作文を書き、そして見事採用されている。本作はアキラ(北村匠海)のナレーションから始まるが、途中からその全てが入社試験時に書いたこの作文内容だったことがわかる。こういった展開もなかなか好きだなぁ。〈とんびが鷹を生んだ〉と言われたヤスだが、息子アキラの幸せだけを願い、奮闘し、立派に育てあげたヤスはとんびではなく鷹そのもの!心温まる親子鷹の物語、まだ観てない方はぜひ!
※ゆずの主題歌『風信子(ヒヤシンス)』もいいね!風信子(ヒヤシンス)の花言葉は“変わらぬ愛”。本作にぴったり!!
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