『ゲゲゲの鬼太郎 ー1(マイナスワン)』ともいえる作品。
横溝正史や山田風太郎の怪奇小説のような伝奇ミステリーの傑作だ。
激動の戦後期、誤った愛国思想、独りよがりの英雄願望でノシあがってきた龍賀一族の謀略を描いた物語である。
グロテスクで胸糞アニメと評する声もあるが、それは外形的なイメージに過ぎないかもしれない。戦後期の闇の時代だからこそ、人の闇が浮かび上がり、胸糞な出来事を描写する必要があるのだろう。
ストーリーを丹念に追いかけると人の心の闇や思い上がり、そしてこの世に生を受けた以上、人は何をすべきか、何を目指して生きることが尊いのか…など遠大なテーマを掘り上げている。
結末に向かって二段構えのバトルアクションを用意し、視聴者を飽きさせない工夫も施している。『ゲゲゲの鬼太郎』が妖怪退治をする背景が見えてきた。昭和時代の有名アニメに光を当てた成功例となるのでは。
鬼太郎のオヤジがカッコイイ。
水木も一般人の代表として、存在感が光ってた。