しろくま

TANG タングのしろくまのレビュー・感想・評価

TANG タング(2022年製作の映画)
3.4
《裏庭に変なロボットがいるの。気味が悪いから外に出してくれる?》
〝何だろ?アンドロイドかな〟〝だったら欲しいんだけど。一日中ゲームばかりやっている夫の代わりに。レシピが3万あって、ゴミ出しまで…〟

最新型のお料理アンドロイドだったらよかったのに、裏庭にいたのは旧式のサビついたロボット。足を投げ出して座っている外見は、まるでディズニーの〝ウォーリー〟のよう。そして、人とロボットが心を通わす展開は既視感ありありだけど、これがロボット映画の王道の設定って言われるとしかたがない。ポンコツロボットとへなちょこ男子の組み合わせは1965年頃に少年マガジンに連載されていた〝丸出だめ夫〟とそっくりだし、〝ターミネーター〟のあの計画や現在公開中の〝ザ・クリエイター/創造者〟の序章っぽくもあるし…。どの作品とそっくりなのかを考えながら〝ロボット映画あるある〟を楽しむのが正解なのかも。

ロボットのタングがめちゃくちゃ可愛いので、お子ちゃま向けのファンタジーなのかと思ったら…。弁護士妻(満島ひかり)とニート夫(二宮和也)の格差夫婦の不満爆発&離婚の危機を描いていて、夫がニートになった訳もかなり深刻なナーバス展開。これってお子ちゃま映画?

それに引き換え、かまいたちのお二人の演技は完全にコント。奈緒さんと小手伸也さんもそれにつられているって感じで、奈緒さんの決め台詞に思わず笑ってしまった。武田鉄矢さんの博士役も〝ストロベリーナイト〟のような凄みはなくて…。せっかくのサスペンスパートがめちゃくちゃ軽くて…。

どうなることかと心配して観ていたら、タングがニノと出会うまでの回想シーンからラストはいいなあ。目頭が熱くなる感動的なエンディングとエンドロール。タングたちのその後も必見だね。

視聴メモ:2023.12.05/180/図書館DVD
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