モモモさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

バレリーナ(2023年製作の映画)

3.8

カット数が多過ぎて逆に爽快感が停滞してるアクションと何となくボンヤリとしている世界観に最序盤は不安を覚えたが、N番部屋事件を風刺する物語である事が明確になってからの加速で韓国版「ジョン・ウィック」的特>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.3

齢80の熟練度×錆びる事の無い圧倒的なキレでスコセッシがまた傑作を作ってくれました…。
「支配」と「搾取」の物語。
白人レジェンド監督と白人ハリウッドスターが描く文化と金に侵食する白人の犯罪譚。
物語
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.0

ギャレス待望の最新作は「地獄の黙示録」×「ブレードランナー」な直球SF映画。
「そんな予算でこんな超大作VFXが実現出来るんですね…」と感心する事しか出来ないアジアごちゃ混ぜの「ニュー・アジア」の景観
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.8

3時間の長尺邦画がシネスコで上映されているという喜びを感じつつ…母性信仰への無邪気さや搾取される若年女性と言う食傷気味の題材にゲッソリしてしまう…が、飽きずに長尺を観終えた…との体感を感じて劇場を後に>>続きを読む

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.9

露悪!皮肉!嫌悪!な1作。
どこまでも薄っぺらい人間関係と自分本位な会話劇に「あれ…もしかして孤独なのは自分だけではない…?」と多くの人間が元気を貰えるのでないだろうか。
逆説的に希薄な人間関係を肯定
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.0

実話ベースの(実際には襲うとかは全く無かったらしいが)人命は軽く、子供の命は重く、母の愛は強い爽快ブラックコメディの傑作。
このくらいの予算感のR15コメディは「ハリウッドの滅びてしまった文化」として
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ハント(2022年製作の映画)

3.9

イ・ジョンジェ主演・脚本・監督作は自身の代表作を相対化する様な意欲作。
独裁政権下での葛藤と反乱、組織の中での中間管理職としての喘ぎ、そして主人公達によるブロマンス…を「かと思いきや」で逆手に取り続け
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.9

1作目、2作目、3作目とここまで軸がブレずに突き進んだ3部作は稀なのではないだろうか。
シリーズ恒例の「スラッシャー映画じゃね?」な暴力アクションと展開、編集の省略が抜群に効いた「みんな、こんな感じの
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コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

3.9

お馴染みの南北コンビに韓国系アメリカ人FBIを追加した「数によるブロマンスの拡大」と「共助の次ぐ共助」でアップグレードを果たしたコンフィデンシャル第2弾。
目新しいアクションとかゾクゾクする様な冷徹な
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ガールズ&パンツァー 最終章 第4話(2023年製作の映画)

4.1

最終章4話。
そこまで長く待った気がしないのは麻痺だろうか、洗脳だろうか、慣れだろうか。
ガルパンをはじめて観たのが20歳の時とかだったんですが、最終章終わる頃にはもう正真正銘のガルパンおじさんになっ
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劇場版 天元突破 グレンラガン 螺巌篇(2009年製作の映画)

4.0

グレンラガンで好きなのは「え…そ、そんな話なの!?そんな規模の物語なの!?すげぇ遠くに来たもんだな…」と言う驚きと感慨深さだったので劇場版も螺巌篇が好きですね。
ラスボスとの闘い、勝利をダイジェストで
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トロール(2022年製作の映画)

3.7

レジェゴジの人物設定と物語展開にスカルアイランドの怪獣表現を混ぜたようなノルウェー産怪獣映画。
神秘の存在を探究して変人扱いされてる父、距離を置いて自立した子供。父が正しかったと証明された矢先に父は死
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タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

4.0

超絶ワンカットと叙述的なラストショットの2点のみで「面白い映画」になっていた1作目を超絶ワンカットのアップグレードと全体的なバランス調整で「総合的には前作より優れている」続編になったタイラー・レイク2>>続きを読む

SAND LAND(2023年製作の映画)

3.8

「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」で抱いた「ここまで高い映像表現が出来るなら鳥山明原作アニメは全て3DCGで」との想いを確かな物にしてくれるSAND LAND劇場アニメ化作品。
鳥山明版「マッドマ
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.0

卒業式の前日と当日の2日間を主軸に答辞を読む事になった女生徒、卒業後の上京により恋人と険悪になっているバスケ部の女生徒、軽音部の部長の女生徒、クラスに馴染めず図書館に通っている女生徒、幾人の女子高生の>>続きを読む

ふたつの部屋、ふたりの暮らし(2019年製作の映画)

4.3

老齢の同性愛者を描くラブロマンス・スリラーの傑作。
アパートの隣同士(二つの部屋)に住んでいる主人公達は同性愛者である。片方には息子と娘がいて亡き夫と築いた家族がいるが、彼らに自身の本当の姿を打ち明け
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.3

いや…僕…どちらかと言えば岡田麿里脚本があまりハマらないタイプだったんですよ…あの花最終回には冷めていたし…さよならの朝に〜とかもね…そこまでだっただったんですが…本作…めちゃくちゃ面白かったです…い>>続きを読む

茶飲友達(2022年製作の映画)

4.0

「老人の性」を主軸に機能不全家族、子育て、認知、生活保護、日本における「弱者」や「溢れた者」達を満遍なく描く社会派インディーズ作品。
生活保護を「施し」だと考える老人、求めるが簡単には貰えない若者。
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.3

シリーズ随一のスロー・スターターでありながら、三幕目でシリーズ随一のホームランをかます『ジョン・ウィック』シリーズ第4弾。
1作目には余り嵌らず、2作目で心掴まれ、3作目でベストを更新、そして4作目で
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.0

「スパイダーバース」以後の傑作アニメにタートルズが参戦。
「嫌われ者」と「除け者」の承認欲求と愛への渇望。そして「毒親」からの脱却。その果てに辿り着く「利他的でリターンを求めない存在=ヒーロー」を真正
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

ブロンカンプが職人に徹した王道スポコン映画。
3部作やドラマシリーズでやるような密度の物語をギュッと凝縮。
ゲーマー少年の肩身は狭い。
スポーツ選手だった親父からは「ゲームじゃなくて現実を見ろ」と言わ
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

4.1

「口裂け女」と「トイレの花子さん」をセルフオマージュ兼アップグレードした「コワすぎ」「超コワすぎ」とは独立した第三の世界で描くのは、シリーズの旨味を詰め込んだ大円団。
観客を煽り、観客と歌う。
応援上
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

隕石が落ちてきた事を名所としている街に集まった秀才の少年少女、その親と、家族達。
授賞式で全てが終わるはずが宇宙人襲来で街には厳戒令がひかれ…との物語はまさかの劇中劇。
お馴染みのアンダーソン式カメラ
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劇場版 天元突破 グレンラガン 紅蓮篇(2008年製作の映画)

3.9

TV版を観たのは10年ほど前かな…?
総集編と言うか、劇場版は初鑑賞。
中盤の強引な総集編ならではの力技編集で見事に兄貴の死から立ち直りまでを描き切る。
名言のオンパレードで、ネットミームのオンパレー
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

3.8

ステイサムVS古代鮫映画第二弾は「前作越えのアップグレード続編」でした。
原題が示すように本作は「TRENCH」こそが舞台であり、続編としての旨味であり、馬鹿騒ぎの元凶である。
超絶シンプルな2幕構成
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.8

「人間の体内で新しい臓器が生まれる」ようになった未来での、新たな芸術と新たなセックス、変化を恐れる支配者層と世界に適応しようとする民衆と、進化とは何か、人類とは何かを説くクローネンバーグ製ボディSF映>>続きを読む

ブギーマン(2023年製作の映画)

4.3

いやーーー参った。痺れた。大傑作!!
「喪に服す」ホラー映画傑作群の新たな代表作は『アラン・ウェイク』×『プレデター』×スティーブン・キング王道展開×メタルギア』な贅沢な盛り盛り映画でした。
寓話的で
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ボストン・キラー:消えた絞殺魔(2023年製作の映画)

3.8

フェミニズムとミソジニーを扱った映画としても徹底されたテーマ性とオチ、流行りの被写界深度浅めボケ強めの撮影と照明が最高ながら編集が性急過ぎるせいで損をしているスリラー映画の秀作。
史実を元にしている映
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

3.8

絶妙なイントネーションで放つ「つぐみぃ…お前どうするんだぁ(⤴︎⤴︎)」と言う名言。
お約束に飽きた制作側と飽きていない観客側のすれ違いを感じてしまう超シリーズ第2弾。
今までで1番「ホラー映画」をし
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.2

閉じた人間関係の「2人組による会話劇」がこんなにも面白いだなんて。
アッと言うようなカメラワークも劇伴もないが故に強調されるのは「役者の掛け合いと佇まい」、そして人の視点が変われば見える姿も変わってく
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

3.8

事実上の「コワすぎ!」リブート作。
原典にあたる口裂け女の「呪具をGET」をコックリさんで再現。
大筋は同じ事が起きながらも決定的な超常現象は起きなかったであろう世界のお話し。
過去改変と腕バズーカで
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

3.9

「コワすぎ!」最終章かと思いきや「オカルト」続編が飛び出す白石ユニバース炸裂な完結編。
監督主演撮影な露悪ブロマンス珍道中で繰り広げる「浮浪者シバキ」「パンツ食い嘔吐」「指切断」「射殺」と…まあ…アレ
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版(2014年製作の映画)

4.1

積み上げてきた「コワすぎ」の伏線を一挙に回収しながらも幾つかの謎を散りばめたクリフハンガーで締める待望の劇場版。
いつもの「投稿者」ではなくアイドルに学者に霊能者が死んでいく「ホラー映画のお約束」も劇
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い(2013年製作の映画)

4.0

遂に撮影班に魔の手が迫る劇場版前日譚。
「あの時は助けてくれてありがとうな、今度は俺が助けてやるからな」
熱きパワハラ上司が拳と呪具で部下に借りを返すハートフル物語。
「なんでも暴力で解決できると思わ
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2013年製作の映画)

4.2

2、3作目で示されたコズミックホラー的、クトゥルフ的世界観の開示が始まる第4弾はモキュメンタリーホラーで「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をかます大娯楽作。
「異世界」と「神」の存在を示す霊能力者との
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

北米における、ハリウッドにおける「フェミニズム」とは何なのかを「バービー人形」を相対化して分かりやすいエンタメに変換してみせた傑作。
この企画をよく通したな…という点でも10年に1、2作出逢えるか否か
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