モモモさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.9

スナイダー風味アクションとジェームズ・ワン式面白カメラワークの融合、「太平洋の何処か」との漠然としたテロップと爆発で物語を強制的に進める構成で爽快な快作になっていた1作目のジェネリック品のような続編。>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.4

ここ数ヶ月、立て続けに「戦中・戦後」を舞台にした日本映画が公開されたが、個人的には本作がナンバーワン。
顎が震えるほど映画館で泣いたのはいつ以来だろうか。
前評判の高さで上がり切ったハードルを軽々と飛
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エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

3.4

思った以上に厳しい出来の映画だったな…。
1作目から10年以上、当時から様々な状況や条件は変わってしまったのに前3作よりも切れ味が落ちまくった作品をお出しされて満足出来る訳じゃ無い。
この10年で「素
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劇場版 空の境界/未来福音(2013年製作の映画)

4.2

あ…シリーズで1番好きかも…!!
事前情報無しで「番外編でしょ」くらいの軽い気持ちで臨んだら…滅茶苦茶面白くてひっくり返ったぞ!!
HF3部作がマイ・ベストufoだし、僕は、須藤監督との相性が良いのか
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劇場版 空の境界/未来福音 extra chorus(2013年製作の映画)

3.8

リバイバルでの上映順が未来福音→extraだと思っていたので「ああ…本編の隙間を埋める番外編なのね…え…浅上さん全然改心してないの…もう1回闘うのか…あ…extra…こっち本編じゃないんだ!!」と無知>>続きを読む

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.9

終盤までオチやテーマを伏せる構成ながら、その全容を容易に察する事が出来るので意外性は無い。
が、終わり良ければ全て良しと言うか、ラスト10分でカメラワーク、編集、劇伴、役者の顔力が天元突破するので鑑賞
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

4.2

予告編で「何かおふざけ無しっぽいな今回のイーライ・ロス」とか思っていた僕の先見性の無さですよ。
冒頭から露悪ゴア笑いフルスロット。
いやぁ年明けから景気の良い映画が観れました。
「ハロウィン」オマージ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

いやぁ…予想以上に心打たれましたね。
ヴェンダースという「外の世界」から見た日本は「美化」されながらも「理想化」はされていない日常の延長でした。
「貧しい国での慎ましい幸せ」というよりは「情報と競争と
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劇場版 空の境界/終章 空の境界(2010年製作の映画)

3.8

何か最後の最後で1番小難しい事を語り始めた!!!
ワンシチューション会話劇。実写映画でもアニメでも「予算の節約」の行き着く先は一緒か。
本作に限っては字幕が欲しかったし、何だったら小説で読まん事には「
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劇場版 空の境界/第七章 殺人考察(後)(2009年製作の映画)

3.9

一章50分(五章を除く)だと思っていたので鑑賞中に「何か…長いな…普通の映画1本分の尺あるんじゃないか…?」と得した気持ちになれました。
「殺人考察」ってそう言う意味だったのね…相変わらず「何だそのサ
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.3

物語が進むにつれて鰻登りに面白くなっていく脚本、キレのある編集、面白カメラワークの融合で送る降霊ホラーの傑作。
昨今の傑作ホラーが三幕目で「爽快感」を提供してエンタメとしての純度を高める中で、本作は「
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劇場版 空の境界/第六章 忘却録音(2008年製作の映画)

3.9

五章で一息ついた感覚があったので本作は何処か番外編の香りが漂っている。
黒桐(妹)と式のバディ物。式もサポートの過ぎず主人公は妹単体。
橙子さんの弟子である事が明言され、今まで何をしていたのかと式への
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劇場版 空の境界/第五章 矛盾螺旋(2008年製作の映画)

4.0

なんかここに来て過去最高に尖った演出と脚本が飛び出してきたな…!!
ループ展開のような「既視感」を利用する構成と序盤の時系列シャッフルの併せ技で「まるで夢を見ている」ような空気感を形成しているのだが、
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劇場版 空の境界/第四章 伽藍の洞(2008年製作の映画)

4.1

リバイバルでの連続鑑賞なんで間髪入れずに四章まで観たけど…前章での疑問を紐解きつつ…新たな謎を投げかけていく構成で…めちゃくちゃ面白いですね…個人的には現時点でのベストエピソードは四章。
「今までの展
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劇場版 空の境界/第三章 痛覚残留(2007年製作の映画)

4.0

戦闘描写は皆無だった(剣術シーンはあったが)二章から一転、一章の流れを拡大する異能力バトルアニメが主体の三章。
一章の前で、二章の後に位置する三章と言う複雑な構成。原作もこの時系列なのだろうか?時系列
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劇場版 空の境界/第二章 殺人考察(前)(2007年製作の映画)

4.0

一章から時を遡る第二章。
学生時代の殺人物語。
「俺」と「私」が存在する式。一章で仄かに描かれたロマンス関係の始まりを描くが、明確な答えは提示してくれない。
オタクの考察と行間の深読みに委託した「前編
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劇場版 空の境界/第一章 俯瞰風景(2007年製作の映画)

4.0

赤、緑、黄の原色が映える撮影。何処か廃れた虚無感を内包し「日本ではない異国」にさえ思える美術。専門用語で畳み掛ける会話劇。血生臭い戦闘とオカルトファンタジー。世界観の説明、物語の導入に徹する第一章。>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.9

TV版は未見。
ゲゲゲの鬼太郎自体、幼少期にTVで少し観ていた程度。
TV版の演出基準の延長であろう「子供向けアニメ」の中でエゲツない設定と初心者向けなホラー描写を直球でぶつけてくる鬼太郎×犬神家の一
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.6

「ハロウィン」ブラムハウス三部作のデヴィッド・ゴードン・グリーンによるエクソシスト・リブート作は…前半戦の勢いが猛烈に失速していくホラー映画でした…。
原典を参照にした「現代版エクソシスト」としての旨
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.9

サー・リドリーによる重厚な絵作りで描くナポレオン映画は「カリスマ性の乏しさ」と「軍師としての才」と「妻・ジョセフィーヌへの執着と共依存」を揺らぎ続ける、ある種の「等身大のタダの人間」の物語。
果敢に兵
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.0

なんて心地良いオフビート。
何度か人に勧められた事があったが、ズルズルと観逃し続けての初鑑賞。
高校を卒業したダサくもイケけてもいない2人は進学もせずダラダラと過ごす。友人のバイト先にちょっかいをかけ
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屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.7

試写会で鑑賞。
メアリよりも何倍も好きですね。
ただの宮崎駿模倣ではない、独自色を纏った作品になっていたので。それが面白いかどうかはまた別の話ではあるんですが。
イマジナリーフレンドの物語。物語の物語
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

4.0

アナ・リリ・アミリプール監督作の中で1番好きですね。
今年は「バレリーナ」もあったし、チョン・ジョンソ祭りですよ。
超能力ものでありながらVFXを必要としない「ドリーズーム」×「役者の演技」で表現する
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理想郷(2022年製作の映画)

4.3

公開日からズルズルと見逃し続けていたけど、まさかここまでドツボにハマる傑作だったとは…!
今年ベストの1本。
近年の作品だと「あしたの少女」を想起させるような二幕構成作品。
予想していたオチを越えた先
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銀魂オンシアター2D バラガキ篇(2023年製作の映画)

3.8

まあ映画って言うか、TVアニメの総集編なんでね。映画としての評価を付けようがないってのはありますよね。
小〜中学生の時にTVで観ていたアニメを映画館で観れる懐かしさを求めているのであってね、そこに関し
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(2023年製作の映画)

3.8

「武士道」とか「侍」とかなんて小綺麗で大層な物なんかじゃないでしょ?だって戦国時代だよ?価値観も野蛮でしょ?な露悪コメディ時代劇。
とにかく「偉人」や「武将」とされてる人間に唾を吐き続ける展開に満足す
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インファナル・アフェアII 無間序曲 4K(2003年製作の映画)

4.3

繰り返し繰り返し観るのは1作目なんですが、2作目も3作目も至高の作品なのがインファナル・アフェアの恐ろしさなのだ…と痛感した劇場鑑賞でした…。
「前日譚」として1つの教科書を提示してくれるシリーズ第二
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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

4.4

オールタイムベストの1本を遂に劇場鑑賞。
昨今の4Kリマスター&リバイバル上映の流れには感謝しかないですね。
何度観ても完璧な脚本、完璧なキャスティング。
ビルの屋上から車に降ってきた時の、エレベータ
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マーベルズ(2023年製作の映画)

4.3

「シークレット・インベージョン」の余りの腑抜け具合にMCU離れを感じていたけど…心を再度揺り戻してくれるヘンテコ大作映画に大満足!!!傑作!!!
「光をルーツにした能力者」達が入れ替わり立ち替わり闘う
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

今年1番期待して待ち焦がれた作品は「おお!?すげぇ!!」と「うーん…はい…」の反復横跳び作品でした。
国産ゴジラでここまでの怪獣表現、破壊表現、高いVFX水準を維持できるんだな!!との驚きと満足感。
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.0

焦土作戦を実行中のナチス野郎達の前に現れたのは金塊お爺ちゃんは伝説の兵士だった…!
超絶シンプルで王道「舐めてたやつが最強の◯◯だった」物語を自然光が冴え渡る撮影と主人公の台詞を極力廃した演出と不謹慎
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BLOOD THE LAST VAMPIRE(2000年製作の映画)

4.2

ハロウィンだし何か観るかとU-NEXTを探したら本作が配信されているのを発見。
DVD画質っぽい荒い映像だったけど、やっぱり超面白かったですね。
冒頭の地下鉄シーンで度肝抜かれますよね。
超人とは言え
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

Netflix inフィンチャーの新作は独特のリズムで「ミスを犯した殺し屋の逆ギレ報復劇」を描くサイコ・スリラー。
ここまで主人公に対して冷徹な距離感を保ち続ける映画は珍しいですよね。
移入もせず、突
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極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.7

タリバンによる韓国人拉致事件を題材にした交渉人エンタメ映画。
「身内に足を引っ張られる」形で推進する物語だが鑑賞時のストレスが余りないのは実話ベースの映画だからだろうか。
外交官と工作員のバディが人命
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.6

ガイ・リッチー×ステイサム最新作は「ちょうど良い映画」とも「突き抜けた傑作」とも言えない、非常に悩ましい一作でした。
雇われ監督に徹したのかな…と思いつつ監督・共同脚本・プロデューサーを兼ねてて雇われ
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容疑者X(2023年製作の映画)

3.6

インド版「容疑者Xの献身」はエンタメ盛り盛り演出に石神(本作では勿論違う名前だが)視点で物語る「犯人視点」サスペンス。
日本版以上に原作の石神を再現しているキャラクター設定、霧がかった田舎町の情景を捉
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