モモモさんの映画レビュー・感想・評価

モモモ

モモモ

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.9

猿の惑星・新章。
ここまでコテコテの「3部作の1作目です」な作りだとは。
何だか懐かしいハリウッド映画を観ている気持ちになりましたね。
曖昧な態度を取らずに「前回の3部作の続きです」と宣言する開幕が良
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.3

「とりあえず話題だし観ておくか」で好みにクリーンヒットしたのは何時ぶりだろうか。
どんな映画なの?とか、どんな物語なの?とか聞かれてしまうと解答にかなり困る。
とにかく観てくれたら解る!!としか言えな
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(2021年製作の映画)

3.9

少女が遺体を使って儀式に及ぶ姿を捉えるストップモーションアニメ。
短編って事もあり、何かあーでもこーでもないと語る事も出来ず。
言いしれぬ不気味さ、唐突に訪れる実写(だよね?)の少女の動きの滑らかさか
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.8

ゴジラVSコングからウィンガード監督続投でモンスターバースは更に荒唐無稽にまっしぐら。
リアルスティックな作劇だった1作目、東宝産怪獣を増量して神話的ケレンで怪作へと進んだ2作目、そんな2作を懐かしく
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.9

原作未読。震災メタファー作品として描かれたであろう漫画が、映画化され公開された2024年ではコロナ禍メタファー作品に思えてならないと言う時代性。
「異常」が「普通」となった世界。
それでも続く日常とさ
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.9

自分のクローンを処刑すれば罪を免れる事が出来る「あるリゾート地」で崩壊していくモラルと喪われてしまう己と錯覚を起こすヒエラルキー。
ワンアイデアSFであり、横暴な白人の映画でもあり、侵略者と癒着の映画
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貴公子(2023年製作の映画)

3.9

骨太ノワールかと思って観にきたら自身のパク・フンジョン自ら歴代監督(脚本)作を相対化するようなブラックコメディ映画で意表を突かれましたね。
この手のノワール物を解体する「元も子もない」展開と収束が面白
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

安直な言い方だけど「大人の恋愛」って言葉がシックリくる映画でした。
「大人になっての恋愛」と言う方が正しいのかな。
小学生までの幼馴染との12年区切りの「あったかもしれない」恋愛関係と人生。
幼い頃に
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.2

「鉄の爪」との異名を持つ実在のプロレスラー一家の犠牲と破滅を通して「有害な男らしさ」と「家父長」を解体する傑作スポーツ映画。
ここ10年ほどの中で出てきたマッチョイズム批判映画で最も優しさと上品さに溢
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

時系列が入り乱れるお馴染みの基本構成と会話劇の融合、総決算的キャスト陣(お前も出てたんかい!が2人いました)の演技合戦とダンケルク以後(ジョナサンとの共作ではなくなってから)に見られる「淡々」とした語>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.7

1、2作目は大好きだったんだけど本作は正直なところマンネリ感が否めず。
期待が大きかっただけに消化不良な鑑賞だった。
「お約束」を守ってはいるのだが…その「お約束」のスケールダウンが強い。
暴力を辞さ
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海がきこえる(1993年製作の映画)

4.0

Blu-rayも未所持でTVでも鑑賞した事がない完全初見。
「恋愛物」程度の事前情報しか無かったので線路内での「写実主義的」なファーストカットから驚いた。
体感90分くらいだったが、更に短い72分だと
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

いやいやスゲェ良かった…1作目が合わなかった人にもオススメ出来るかと言われたら個人的には首を傾げてしまうが。
IMAXで観る利点は「画」よりも「音」だったなぁと感じる贅沢な劇場体験。
DUNE2部作(
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.5

キングスマン1作目には歓喜したし、キックアスも大好きだし、X-MENファーストジェネレーションも大大好きなんだけど、ゴールデンサークルでガッカリしてから3作連続で合わなかったのでヴォーンとの相性が悪く>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.2

久しぶりに「マジで面白くない映画」に出逢ったしまって大困惑。
ヴェノム2作も「まあ…はい…」くらいの体感で、モービウスに限っては「そこまで悪くないんじゃない?」と擁護派だったんで本作もそこそこ楽しめる
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.3

この手の「長尺だからこそ」な傑作は大好物ですね。
法廷サスペンスとしての面白さは勿論の事、「子供から見た両親」と言う物語の視点に心打たれた。
転落死した父、殺人(不審死)の嫌疑をかけられた母の裁判を通
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赤い影(1973年製作の映画)

4.3

ラスト5分で全てを回収する「オチが良ければ全て良い」映画の金字塔の1つ。
娘を水死で失った主人公。後に訪れたヴェニスで亡き娘のような「赤い服の少女」と霊感を持つ(と主張する)盲目の老女に出会うが…。
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エグザイル/絆(2006年製作の映画)

4.2

バッキバキの撮影、陰影の濃い照明、いい歳したオッサン達の学生みたいなホモソーシャル空間、多くを語らない物語、メキシカン・スタンドオフを煮詰めまくった銃撃戦!
ジョニー・トー監督の一種の到達点を映画館で
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.4

ど…どうしよう…アリ・アスター作品で1番好きな映画かも…しれない…!!
北米公開時の監督インタビューで「ユダヤ版ロード・オブ・ザ・リング」と表現していた記憶があるが、日本で育った自分には正直、肌感も知
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ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(2023年製作の映画)

3.6

ゲームは一作目だけプレイ済み。
特にファンとは言えないので的外れな事を言ってるかもしれないけど…「超ファン向け実写版」って体感で自分には響かず。
とにかく「設定の開示」に終始した作りなので1本の物語と
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ジェヴォーダンの獣 ディレクターズ・カット(2001年製作の映画)

4.0

ゲーム原作映画史上最高傑作の実写版「サイレント・ヒル」の監督・クリストフ・ガンズ初期作は「ブラッドボーン」の大いなる影響元。
ゲームファンはガンズ監督に頭が上がらねい!!
フランスに伝わる「ジェヴォー
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VESPER/ヴェスパー(2022年製作の映画)

4.0

最小限のVFXを駆使した低予算SF映画、大好物ですね…衣装、メカニック、植物と言った「ヴィジュアル」で「世界を0から作る」秀作。
物語は王道中の王道で捻り無し。
ハイテクノロジー都市シタデルに住む富裕
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

ヨルゴス作品で「爽快な気持ち」で劇場を後にする日が来るとは。
「自殺を図った母親の身体に胎児の脳を移植した主人公」との概要から露悪的な作品をイメージしていたが、蓋を開けてみればフェミニズム人生讃歌映画
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

4.0

大災害の中、奇跡的に被害を免れたマンション。
崩壊した世界で秩序と階級は崩れ去るが、結局は人間のコミュニティに過ぎず、新たな秩序と階級が生まれるのみ。
裕福ではないが貧困に喘いでる訳でもない中間層達が
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.2

猛烈な暴力は存在しないが、母は弁当を作る余裕も無く、ギャンブルに興じる父に子らは怯え、姉達は妹を顧みない機能不全家庭。
物音や親の一挙一動に怯える生々しさ。
コットの居場所は家庭にも学校にも無い。
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千年女優(2001年製作の映画)

4.2

戦前と戦後を駆け抜けたある名女優が「何を抱いて」生きてきたのかを虚実入り乱れる構成で描く傑作。
今敏作品の肝って、やっぱり構成と世界観を演出する「映像だからこそ」の演出ですよね。
本作も物語自体は滅茶
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.1

繰り返し観るタランティーノ作品はジャンゴとパルプフィクション位なので、本作は16歳の再鑑賞だったけど…記憶してた以上に低予算の中で役者と演出力で闘っているし、無駄話は長くないし、終盤にかけて畳み掛ける>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.8

原作の最序盤を1本の映画に纏めた脚本、続きが撮られる(というか撮っている)事が前提の(WOWOW製作の強み)構成、映画が進めば進む程ハマっていく主演陣。
ハイローの監督だけあってワンカット長回し&喧嘩
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ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.2

IMAXで2回、通常で1回、今回のモノクロ版で4回目。観れば観るほど面白くなっていく。
初見時に気になったプロットの穴、説明的過ぎる台詞回し、大仰な演技に対して慣れてしまったと言うか、麻痺してしまった
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傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)

4.2

3本を纏めた総集編とか出せば良いのにね、と冷血編の頃から言ってたんですが…こう…時間を置いて…ノスタルジーすら感じる歳で劇場公開されて…感無量でした…。
ちゃんと長さを感じる傑作って良いですよね。満足
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.9

スナイダー風味アクションとジェームズ・ワン式面白カメラワークの融合、「太平洋の何処か」との漠然としたテロップと爆発で物語を強制的に進める構成で爽快な快作になっていた1作目のジェネリック品のような続編。>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.4

ここ数ヶ月、立て続けに「戦中・戦後」を舞台にした日本映画が公開されたが、個人的には本作がナンバーワン。
顎が震えるほど映画館で泣いたのはいつ以来だろうか。
前評判の高さで上がり切ったハードルを軽々と飛
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エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

3.4

思った以上に厳しい出来の映画だったな…。
1作目から10年以上、当時から様々な状況や条件は変わってしまったのに前3作よりも切れ味が落ちまくった作品をお出しされて満足出来る訳じゃ無い。
この10年で「素
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劇場版 空の境界/未来福音(2013年製作の映画)

4.2

あ…シリーズで1番好きかも…!!
事前情報無しで「番外編でしょ」くらいの軽い気持ちで臨んだら…滅茶苦茶面白くてひっくり返ったぞ!!
HF3部作がマイ・ベストufoだし、僕は、須藤監督との相性が良いのか
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劇場版 空の境界/未来福音 extra chorus(2013年製作の映画)

3.8

リバイバルでの上映順が未来福音→extraだと思っていたので「ああ…本編の隙間を埋める番外編なのね…え…浅上さん全然改心してないの…もう1回闘うのか…あ…extra…こっち本編じゃないんだ!!」と無知>>続きを読む

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.9

終盤までオチやテーマを伏せる構成ながら、その全容を容易に察する事が出来るので意外性は無い。
が、終わり良ければ全て良しと言うか、ラスト10分でカメラワーク、編集、劇伴、役者の顔力が天元突破するので鑑賞
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