ヒノモトさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.7

マーベルの実写スーパーヒーロー作品が肌に合わないことは身に染みて分かっているのですが、続編公開を前に、アメコミ風の3DCGアニメのスパイダーマンを遅ればせながら、予習してみました。
(実写版は全く観て
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

俳優としても有名なサラ・ポーリー脚本監督による作品。

ボリビアのメノナイト(18世紀の生活様式を重んじる保守的なプロテスタント)が住むコロニーで実際に起きた連続レイプ事件をベースに書かれた小説を映
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コロニアの子供たち(2021年製作の映画)

3.3

ナチス残党によってチリに設立された拷問施設「コロニア・ディグニタ」を舞台に、施設に入った少年の目を通して隠された負の歴史を描くお話。

隔離された小さな共同体における異質な空気感は存分に感じる事は出
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.4

おもちゃ会社の研究者ジェマが交通事故で両親を亡くした姪ケイディのための友だち=おもちゃとして、AI人形「M3GAN(ミーガン)」を開発するというお話。

ミーガンを演じた俳優のダンスやアクロバチック
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異端の純愛(2023年製作の映画)

4.0

『片腕マシンガール』『惡の華』など井口昇脚本監督による最新作。

衝撃でした。
井口監督の人とずれた感覚から歪んだ形で作品として昇華してきた作品群の中でもかなり純度の高い内容と、自身を投影していく姿
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THE FALLS(1980年製作の映画)

3.6

東京菊川にあるミニシアターStrangerの『1980-2000年イギリス映画特集』から、『英国式庭園殺人事件 』や『コックと泥棒、その妻と愛人』などのピーター・グリーナウェイ監督の1980年の初長編>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

是枝裕和監督最新作。坂元裕二脚本による作品。
カンヌ映画祭脚本賞はともかく、クィア・パルム受賞は、今作が少年同士の友情以上の関係性に踏み込んだお話であることを明言してるようなものだったので、評価が高い
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テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

一般上映スルーとなった前作「テリファー」の2作目。
前作も事前に予習してから鑑賞しました。

ハロウィンの日に起きた惨劇から1年後の設定で、ピエロの恰好をした連続殺人鬼、アート・ザ・クラウンの復活か
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埋葬(2022年製作の映画)

3.6

国立映画アーカイブにて開催中の「EUフィルムデーズ」より、リトアニアのイグナリナ原子力発電所の廃炉化の恒久な時間の流れを捉えたアートドキュメンタリー作品。

リトアニアのEU加盟のために、(原発事故
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

3.8

主人公ジュリア自身の人生での数ある選択する場面にて、枝分かれした人生の道すがらを辿るお話。
上映終了間際になって、やっと観られました。

大変美しい物語で、人生の分岐点において選んだ選択が、その後の
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食人族4Kリマスター無修正完全版(1980年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

1980年制作のファウンドフッテージ・フェイクドキュメンタリー形式のホラー映画の限りなく元祖に近い作品の4Kリマスター無修正完全版。
上映終了間際になって、やっと観られました。(このフレーズまた明日も
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放課後アングラーライフ(2023年製作の映画)

3.5

「アルプススタンドのはしの方」「ビリーバーズ」などの城定秀夫監督最新作。
上映終了間際になって、やっと観られました。(このフレーズ明日も使用します)

高校でいじめに遭っていた主人公が、転校後、海釣
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波紋(2023年製作の映画)

2.8

「かもめ食堂」「川っぺりムコリッタ」などの荻上直子脚本監督による最新作。

夫が突然失踪し、残された妻・須藤依子は新興宗教に入信し、お金をつぎ込んでいく中、夫の修が突然帰ってきて、その後巻き起こる感
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.5

離れて暮らす31歳の父親とリゾート地にやってきた11歳のソフィが当時撮影したビデオカメラの映像を振り返りつつ、20年後、父親との記憶をよみがえらせるお話。

映画を観る前までは、31歳のソフィが父親
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.3

「THE WITCH/魔女」から5年ぶりの続編。

前作で危惧してた通り、超能力対決みたいになってて、少し興ざめでした。
アクションを前作以上にパワーアップする方法として、個人の持つ力を強大化してい
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.9

続編公開前に、初めて観ました。
旧作なので、鑑賞記録として、短めに感想書きます。

思ってたより、良く出来た物語だったので、大変楽しめました。
前半のオーディション受けるの意味あるのかと思ったら、計
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同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)

3.7

シングルマザーの母親と娘のいがみ合いの上に起きた車による轢き飛ばし事故から、すれ違う親子関係の顛末を描く作品。

単純にどちらが悪いと決めつける訳ではなく、母親が娘にかける思いと娘が母親らしさへの希
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バンクシー 抗うものたちのアート革命(2020年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

匿名アーティスト・バンクシーの足跡を辿るドキュメンタリー映画。

バンクシーを扱った映画の中で、ダントツに退屈な作品でした。
バンクシーというより、ストリートアートの歴史を辿る教科書のような平坦な内
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.9

白人至上主義の女性グループが有色人種や移民に毛嫌いする感情をアジア人姉妹とのあるトラブルから、過激な行動へと向かわせる顛末を描く、全編1カット撮影で展開するサスペンス作品。

大きく好き嫌いの分かれ
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宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.0

『ステップ』『野球部に花束を』などの飯塚健監督の最新作。

家族になりすまして地球の家族の調査をしに土星からやってきた宇宙人が、家族というものを体験し、トラブルを乗り切りながら、土星に帰るまでの日々
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なぎさ(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

親のいない環境で育った兄妹、文直となぎさの現在と過去を心霊スポットとして訪れたトンネルの中でふと邂逅するお話。

ここから先は、ネタバレを含む感想となります。

古き良き日本映画のような重苦しい空
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ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

3.6

東京日仏学院にて開催中の「シャンタル・アケルマンをめぐって」より、2015年製作、アケルマンの遺作となったドキュメンタリー作品。

ポーランド系ユダヤ人であるアケルマンの母親をアケルマン自身が撮影し
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

『イン・ザ・ベッドルーム』のトッド・フィールド脚本監督によるかなり久しぶりの最新作。

ドイツの有名オーケストラで、女性としてはじめて首席指揮者に任命されたリディア・ターが、マーラーの交響曲第5番の
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アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学(1988年製作の映画)

3.7

東京日仏学院にて開催中の「シャンタル・アケルマンをめぐって」より、1989年の作品。

かなり実験的な構成で、ユダヤ系のニューヨーカーたちが、アメリカへ移住した時の苦労や経験をカメラ目線で語る独白と
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.3

任天堂のゲームキャラクター、マリオとルイージ兄弟を主人公とした3DCGアニメーション作品。
3Dの吹き替え版で鑑賞しました。

マリオの生みの親任天堂の宮本茂さんが関わっているだけあって、キャラクタ
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高速道路家族(2022年製作の映画)

2.5

高速道路のサービスエリアを転々としながら、訪問者からお金を借りつつ暮らす家族を描く作品。

想定よりも面白くなかったです。
面白くない理由は明白で、この家族の話というより、家族を助けようとする中古家
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故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.5

「街をぶっ飛ばせ」と併映のため、連続投稿失礼します。

母国ベルギーから、ニューヨークへ渡った期間に、母親との手紙のやりとりをアケルマン自身のナレーションと、帰国後再訪したニューヨークの光景とともに綴
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街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

3.7

「シャンタル・アケルマン映画祭2023」より、併映された2作品について、短めに。

「街をぶっ飛ばせ」

アケルマンが18歳で初めて制作した短編作品。
ゴダールの影響を感じさせる箇所が多く、映像制作
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.9

『半世界』『冬薔薇』などの阪本順治監督の最新作。
ほぼ全編モノクロ、スタンダードサイズ。
デジタルカメラによりカラーで撮影でされた素材をモノクロ変換したようです。
江戸末期の長屋を舞台とした、武家育ち
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EO イーオー(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「エッセンシャル・キリング」「アンナと過ごした4日間」などのイエジー・スコリモフスキ監督最新作。
サーカス団で活動していたロバのEOは、動物愛護団体の横やりにより表舞台から退き、その後の流転していく運
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HIDARI(2023年製作の映画)

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伝説の彫刻職人「左甚五郎」を主人公とした、木彫人形によるストップモーション・アクション時代劇のパイロット版の上映イベントに行ってきました。

木や木目を生かしたキャラクター造形とそこから派生するギミ
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グレート・グリーン・ウォール ~アフリカの未来をつなぐ緑の長城~(2019年製作の映画)

3.2

世界平均の1.5倍の速さで気温上昇しているアフリカのサヘル地域は、気候変動を食い止めるために、2007年よりアフリカの国々主導により大陸を8,000kmにわたって横断する人類史上最大規模の植林プロジェ>>続きを読む

マリウポリ 7日間の記録(2022年製作の映画)

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ウクライナ東部ドンバス地方のマリウポリにて撮影されたドキュメンタリー作品。

監督が亡くなられて、諸事情はあるかと思いますが、映画としては映像素材を一応繋いだだけに見えてしまい、何度か途中退出しよう
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

22歳のチェコスロバキアの女性が行った大量殺人の道程を冷徹な視点で描く作品。

ネタバレを含む感想となります。

オルガ・ヘプナロヴァーという人物が1970年代の当時に置かれていた精神的な病や性的
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ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

3.7

引き続きシャンタル・アケルマン映画祭2023より、1986年のミュージックコメディ作品。

他のアケルマン作品と較べて、明るい色彩溢れた、コンパクトではありますが古き良き時代のMGMスタジオのような
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一晩中(1982年製作の映画)

3.5

シャンタル・アケルマン映画祭2023より、1982年制作の作品を初鑑賞しました。

ブリュッセルのある夏の夜、一晩の出来事、特に恋をする人たちの出会いや別れ、その束の間の時間を散文的に切り取った作品
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