イルーナさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

【一粒の松ぼっくり地に落ちて死なずば】

ストップモーションアニメ界にデル・トロ参戦。
題材は最近ブームの児童文学の古典『ピノッキオ』。
それだけクリエイターの心を刺激する普遍的な物語ですが、彼はいか
>>続きを読む

コララインとボタンの魔女(2009年製作の映画)

4.3

【Identity V(第五人格)の元ネタ?】

ストップモーションアニメの巨匠・ヘンリー・セリックの代表作。

引っ越した先のアパートにあった、壁紙に隠れた小さなドア。
その先には理想の両親や住人が
>>続きを読む

ウェンデルとワイルド(2022年製作の映画)

3.7

『コララインとボタンの魔女』のヘンリー・セリックの、13年ぶりの新作。
その間も企画が流れたりと紆余曲折あったそうですが、こうやって新作を観られて嬉しいです。
さらに脚本に『ゲット・アウト』や『NOP
>>続きを読む

アルマゲドン(1998年製作の映画)

4.0

【漢の義務教育】

同時期に『ディープ・インパクト』という、似たような内容の隕石衝突映画があったことで話題になっていた映画。
しかし現在では豪華キャストにエアロスミスのテーマ曲、破壊王マイケル・ベイが
>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.8

大学時代、スペインの現代史について勉強していた頃に観た作品。
時代背景が背景だけに覚悟して観ただけでなく、冒頭でオチがバラされているにも関わらず、あまりの重さに打ちのめされたのを覚えています。
どこに
>>続きを読む

フォービデン・ゾーン(1980年製作の映画)

4.5

「悪いことってどうしてこんなに快感なのかしら」

ティム・バートン作品の音楽でおなじみダニー・エルフマンが映画界に入るきっかけとなったカルト映画。
『オインゴ・ボインゴ』が音楽劇団だった時代の『ザ・ミ
>>続きを読む

光の支配者(2019年製作の映画)

3.4

タイトルがいかにも中二病、しかし2分程度の短編……
いったいどんな内容なんだ?と思って観てみると、光を求める植物たちの姿を描いた、愛すべき小品でした。
黒地に白いラインの絵が、ちょっと黎明期のアニメ『
>>続きを読む

ジャイアント・ピーチ(1996年製作の映画)

4.3

「そりゃあ、始めはただの夢だったのかもしれないけど、何でもそうじゃない?あのビルも、ネオンも、この街もみんな。始めは誰かが夢見たんだ。ぼくの旅も同じだよ」


小学校の授業で観た映画で、ずっと印象に残
>>続きを読む

コルドロン(1984年製作の映画)

3.0

かつてディズニーランドのシンデレラ城にあったミステリーツアーの元ネタにして、80年代の暗黒期ディズニーの代表作(?)。
ここFilmarksの平均点も2.8と、ディズニー作品としては驚異的な低さ。
>>続きを読む

モンキーボーン(2001年製作の映画)

3.8

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や『コララインとボタンの魔女』で知られるストップモーションの鬼才ヘンリー・セリックの実写作品。
ですが、20世紀フォックスが実験的な映画を作っていた時期の名プロデ
>>続きを読む

皇帝ペンギン(2005年製作の映画)

4.0

今はなきゴールド/シルバー劇場にて鑑賞。
皆さん大好きペンギン科。その中の最大種にして、「世界一過酷な環境で子育てする鳥」の称号を持つ皇帝ペンギンに密着したドキュメンタリー。

-40度に達する極寒の
>>続きを読む

イタリアは呼んでいる(2014年製作の映画)

1.0

本作が好きな方には申し訳ありません。かなりの酷評となります。
予備知識を仕入れたほうがいい作品とそうでない作品ってありますよね。
……この作品の場合、まぎれもなく前者だったわけです。

予告やポスター
>>続きを読む

日本列島 いきものたちの物語(2012年製作の映画)

2.0

動物ドキュメンタリー映画は数あれど、「日本列島に生息する動物たち」というテーマは意外となかったので、少し興味があったのですが……

外国の『ディープ・ブルー』や『ライフ いのちをつなぐ物語』のような派
>>続きを読む

モルタデロとフィレモン(2003年製作の映画)

3.5

スペインの国民的漫画の映画化作品だそうですが……全編にわたって狂気すれすれのドタバタギャグ満載です。

まず登場人物。主人公コンビ、モルタデロとフィレモンは何やらせてもヘマばかりというだけでなく、諜報
>>続きを読む

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ついに私のレビューはこれにて200本目を迎えました。
そして、ティム・バートン監督作品マラソンもこれで最後。
そのトリを飾るのは……この『ビッグ・フィッシュ』。
高校の時に観て、本格的にバートン作品に
>>続きを読む

ピーウィーの大冒険(1985年製作の映画)

4.0

鬼才ティム・バートンの、記念すべき長編デビュー作。
「題材が気に入ったし、気楽そうだから」という理由で引き受けたという本作。要は雇われ仕事。
しかし出来上がったのは……最初から最後までポップ、キッチュ
>>続きを読む

ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ(1985年製作の映画)

2.5

バートンのごく初期の作品の一つ。
『フランケンウィニー』でシェリー・デュヴァルに認められたバートンは、彼女自身が製作総指揮と司会を務めるテレビ番組『フェアリーテール・シアター』の一エピソードを監督する
>>続きを読む

PLANET OF THE APES 猿の惑星(2001年製作の映画)

2.2

「バートン作品でワーストを挙げるなら?」という議論があるなら、真っ先に挙がる一本。
オリジナル版は映画史に残る衝撃のラストで今や知らない方が珍しいくらい。さらに本作の10年後に始まったリブート版シリー
>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.8

映画音楽最大の巨匠モリコーネへの、愛と称賛のドキュメンタリー。
巨匠の朝は早い。冒頭、毎朝4時に目覚めストレッチ。曲を作っていくその真剣なまなざしに心打たれる。
仕事部屋の圧倒的物量の書物は、まるで頭
>>続きを読む

ティム・バートンのコープスブライド(2005年製作の映画)

4.3

かの『チャーリーとチョコレート工場』と同時進行で作られたという本作。
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』でもあの世界観と作業時間に圧倒されましたが、そこから年月を経て技術は進歩。
もはや言われなき
>>続きを読む

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(2007年製作の映画)

4.0

この作品、リアルタイムで母親と一緒に観に行ったのですが、あまりの鬱展開とスプラッターぶりに怒らせた作品。
いや、私もジョニデとバートンという超メジャー級のコンビでここまでグロ描写満載だなんて思っても見
>>続きを読む

スリーピー・ホロウ(1999年製作の映画)

4.0

アメリカ人なら誰もが知っているという怪談『スリーピー・ホロウの伝説』。
ゴシックホラーというジャンルの大ファンであるバートンに、相棒のジョニデ。
そしてヒロインはお化け一家の長女ウェンズデーを演じたク
>>続きを読む

アリス・イン・ワンダーランド(2010年製作の映画)

2.8

誰もが知る児童文学の金字塔『不思議の国のアリス』。
しかし、キャラクターや場面は強烈に印象に残っていても、どんなストーリーだったかきちんと説明できる人はあまりいないと思われます。
というのも、これは作
>>続きを読む

ことりのロビン(2021年製作の映画)

3.2

クリスマス作品ということでこちらも。

『ウォレスとグルミット』や『ひつじのショーン』でおなじみアードマンのストップモーションアニメ。
ただしこちらはいつものクレイではなく、フェルト製の人形。
そのた
>>続きを読む

シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.5

今日はクリスマスイブ。そして名古屋は大雪。
このシチュエーションに一番ふさわしい映画と言えば……『シザーハンズ』!
ジョニデとバートンが出会った作品という、二人にとっても、90年代の映画史においても非
>>続きを読む

バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

4.5

幼少期の頃テレビで観て、強烈なインパクトを植え付けられた作品。
大量のペンギンの群れがミサイルをしょって進軍。ペンギン怪人の最期。
とにかくこのクライマックスがずっと脳裏に焼き付いていたのですが、学生
>>続きを読む

バットマン(1989年製作の映画)

3.8

ティム・バートンの名前を不動のものにした、ご存じアメコミ映画の金字塔。

これもしかして、80年代末期という時代を考えるとかなりエポックメイキングな作品だったのかな?
それまで「ダークヒーロー映画」と
>>続きを読む

グレムリン(1984年製作の映画)

3.6

80年代を代表するモンスターコメディ映画。
私も幼い頃テレビで見たことがあったので、懐かしく再鑑賞しました。
しかし私が記憶していた部分が一切出てこなかった。おまけに私が観たのは、もっとコメディ色が強
>>続きを読む

フランケンウィニー(2012年製作の映画)

4.2

バートンの初期作品『フランケンウィニー』。
かつてお蔵入りにされた作品が、セルフリメイクされるまでに大出世。
ここまでの経緯を辿った作品というのも珍しいのではないでしょうか。
まさに本作のスパーキーの
>>続きを読む

ヘンゼルとグレーテル(1982年製作の映画)

3.5

【チャーリーとチョコレート工場の原型?】

ティム・バートン幻の初期作品の一つ。
ディズニー・チャンネルで放送されたテレビ映画にして、『フランケンウィニー』に先駆けて初の実写作品になります。
物語は誰
>>続きを読む

フランケンウィニー(1984年製作の映画)

3.8

『ヴィンセント』と共に、バートンの初期作品。
前作に引き続き、才能の胎動をじっくりと目にすることができる作品となっております。
しかし、こんな異端な作風かつ、地味に豪華なキャスティング(『ネバーエンデ
>>続きを読む

ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

3.7

今の所、劇場で観た最後のバートン作品。
当時は「えー、バートン成分ほとんどないなぁ……」で、まったく印象に残らなかったんですよね。
おそらく、言われなきゃバートンの作品だって分からない人が多いんじゃな
>>続きを読む

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

4.0

バートン作品は昔ハマっていましたが、唯一観ないまま残っていた長編監督作品がこれ。
というのも、『ビッグ・アイズ』以降、今年の9月に再点火するまでかなり長い間離れていたから観る機会がなかった。
『実写版
>>続きを読む

ヴィンセント(1982年製作の映画)

4.6

鬼才ティム・バートンの、記念すべき監督デビュー作。
「処女作にはその人のすべてが表れる」と言いますが、ええ、本当にその通りです。
彼の、後の作品にもつながる作家性というのがこれでもかと現れている。
>>続きを読む

ダンボ(2019年製作の映画)

3.7

先月映画界を騒がせた、バートンのディズニーとの決別宣言。
その中には「ダンボは僕そのものだって気づいたんだ。恐ろしい大サーカスの中で働いていて、そこから逃げる必要があった。ある意味で『ダンボ』は自伝的
>>続きを読む

ダンボ(1941年製作の映画)

3.9

10月下旬、映画界を騒がせた「ティム・バートン、ディズニーに決別宣言」の一報。
それを聞いて衝撃を受けた方も多いと思います。もっとも、その経歴を知っている人なら「むしろ今までよく一緒に仕事してきたな」
>>続きを読む